研究課題/領域番号 |
14201046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
花谷 浩 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 遺構調査室長 (70172947)
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研究分担者 |
黒崎 直 富山大学, 人文学部, 教授 (60000494)
小林 謙一 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 文化財情報研究室長 (70110088)
小池 伸彦 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (90205302)
金田 明大 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 研究員 (20290934)
豊島 直博 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (90304287)
清野 孝之 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・平城宮跡発掘調査部, 研究員 (00290932)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
27,820千円 (直接経費: 21,400千円、間接経費: 6,420千円)
2004年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2003年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2002年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 三燕文化 / 馬具 / 帯金具 / 騎兵装備 / 金銅製品 / 蛍光X線分析 / 三燕 / 鞍金具 / 金薄板 / 挂甲 / 鉄地金銅張 / 馬胄 / 縦長板胄 |
研究概要 |
日本列島の古墳から出土する渡来系と考えられる金属製品の源流やその伝播経路を明らかにするために、日本と中国、そして地理的に両地域の間に位置する韓半島で共通して冷られる馬具や武器・武具類等を中心に、比較研究を進めた。中国については、近年相次いで良好な関連資料が知られるようになった、4、5世紀代の三燕文化の墓葬から出土する遺物を対象とした。 馬具・帯金具等の金銅製品には、遼西地域の三燕時代の墳墓から出土したものとの共通性が認められ、技術的検討や蛍光X線分析をおこなった結果、古墳時代における金銅製品の製作技術が、これらと同一の系譜関係にあるとする推定の妥当性が確かめられた。また、中国出土の鞍木部の構造や製作手法に韓半島や日本列島の出土例にもみられる作り方が確認されたことにより、三地域の技術の系譜関係を考えるうえで、重要な手がかりをえた。 人馬ともに全身に鎧を着装した重装騎兵をはじめとする騎兵の装備は、その出現年代や製作技術の変遷を考慮すると、中国東北地方を源流とし、韓半島を経て日本列島に伝わってきたことが明らかになった。ただ、装備の内容を比較すると、韓半島出土例が中国東北地方を直接的な源流としているのに対し、古墳から出土する例において、中国や韓半島の出土例と同一視できない要素が認められる点は、日本列島内における当時の情勢や受容の事情が関係していると考えられる。 日・中・韓において、墳墓の構造や埋葬形態は、それぞれの地域的な特徴を保持しているが、副葬品については、相互に共通する遺物や製作技術の存在が明らかになり、古墳時代の渡来系遺物の一部については、中国東北地方を源流とする可能性が高まってきた。
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