配分額 *注記 |
42,770千円 (直接経費: 32,900千円、間接経費: 9,870千円)
2004年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2003年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2002年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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研究概要 |
この3年間の研究成果は次のように要約することが出来る.第1に,従来,中央アジア・コーカサス諸国の経済統計は極めて少なく,経済分析が出来なかったが,我々はロシア国立経済文書館において秘密解除された統計データを収集し,そのデータベースを構築し出版して,研究機関に配布することが出来た.第2に,データの分析を通じて,旧ソ連構成共和国の経済発展のタイプを解明し,その中に中央アジア諸国とコーカサス諸国を位置づけることが出来た.すなわち第3に,中央アジア諸国の場合,西欧に近く消費財生産が配置された西部共和国と異なり,ソ連計画経済の下で採取産業・重工業と農産原料の基地と位置づけられ,消費財生産が未発達であること,コーカサス諸国はこの両者の中間に位置することを解明した.第4に,カスピ海油田周辺諸国およびその近隣諸国の政治・社会状況を分析したが,特に資源ナショナリズムと外資への関心との間を揺れ動くロシアの性向をロシア国立経済文書館のデータに基づき明らかにしたことは有意義であった.またアゼルバイジャンにおける権威主義的政権の動向や,中央アジア諸国の社会状況と南のイスラム圏との緊密な結び付きが明らかにされた.第5に,中央アジア・コーカサス諸国の経済構造の特徴の発見をはじめこの研究を通じて得た知見は,たとえば,外務省のカザフスタン・ウズベキスタン国別援助計画策定タスクフォースに西村と清水が参加し,政策提言に活用することが出来た.
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