研究課題/領域番号 |
14204014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧島 一夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20126163)
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研究分担者 |
国分 紀秀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50334248)
久保田 あや 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (00391938)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
52,000千円 (直接経費: 40,000千円、間接経費: 12,000千円)
2004年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
2003年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2002年度: 22,620千円 (直接経費: 17,400千円、間接経費: 5,220千円)
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キーワード | ブラックホール / 宇宙X線 / 降着円盤 / 科学衛星 / 大気圏外観測髄 / 近傍銀河 / コンプトン散乱 / 超光度X線天体 / 大気圏外観測 |
研究概要 |
近傍の渦巻銀河には、異常に明るいX線の点源が見られ、20年来の謎となってきた。我々はそれらをULX(Ultra-Luminous X-ray Source;超光度X線天体)と名づけ、「あすか」衛星を用いて観測した結果、それらが太陽の数十倍から数百倍の質量をもつ中質量ブラックホールであるという、独創的な仮説を提唱するに至った。本研究は、この解釈を観測から検証することを目的とする。 「あすか」に加え、チャンドラ衛星(米)やXMMニュートン衛星(欧)のデータを用い、ULXのX線観測を推進した結果、ULXが中質量プラックホールである可能性を一段と強めることに成功した。「すばる」望遠鏡を用いた光観測では、ULXの連星の相手とおぼしき天体を発見し、ULXが大質量をもつ可能性を強めた。HETE-2衛星の活躍により、長年の謎だったガンマ線バーストは、大質量星が重力崩壊してULXの種となるブラックホールが形成される瞬間に発生する、という可能性が浮上した。ULXを銀河系内のブラックホール連星や、ある種の巨大ブラックホール天体と詳しく比較した結果、質量降着率の高いブラックホールに共通する性質を抜き出すことができた。これらの多くは、2005年7月10日に打ち上げられたX線衛星「すざく」に、引き継がれることになる。 ULXの研究を進めるため、本課題では、「すざく」に搭載された硬X線検出器(HXD)の発展版として、撮像型の宙硬X線の撮像装置を開発することも目的とした。その結果、すだれコリメータとCdTeストリップ検出器を用いたフーリエ合成撮像装置を、実験室レベルで実証することに成功した。多結晶シンチレータや、薄板短冊型シンチレータとシリコンストリップ検出器を組み合わせた撮像素子など、新しい検出器素子の基礎開発も進めることができた。 以上のように本課題に、3年間の研究期間を通じて、多面的な研究成果を挙げた。これにより、当初の目的を十分に達成することができたといえる。
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