研究課題/領域番号 |
14204035
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西田 信彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50126140)
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研究分担者 |
金子 真一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40301171)
髭本 亘 日本原子力研究所, 副主任研究員 (90291103)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
48,230千円 (直接経費: 37,100千円、間接経費: 11,130千円)
2004年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2002年度: 38,870千円 (直接経費: 29,900千円、間接経費: 8,970千円)
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キーワード | 渦糸状態 / 異方的超伝導体 / 走査トンネル分光 / 高温超伝導 / YNi_2B_2C / Bi_2Sr_2CaCu_2O_x / 量子領域渦糸 / 準粒子状態密度 / 実空間測定 / 超伝導準粒子状態密度 / ミュオンスピン回転 / 渦糸格子 / ミュオンスピン回転・緩和法 / 渦糸グラス / ミュオンスピン回転法 / 渦糸格子バンド / CeCoIn_5 |
研究概要 |
極低温、高磁場下ではたらく走査トンネル分光顕微鏡(LT/HM-STM/STS)を独自に開発し、異方的超伝導体、特にその、超伝導渦糸状態の研究を行った。STM装置開発および超伝導研究に以下の成果を上げることができた。 (1)極低温・高磁場STM/STS開発:4.2K下、15Tの高磁場ではたらくLT/HM-STS/STMの開発に成功し、15T下のBi_2Sr_2CaCu_2O_x渦糸の実空間測定に成功した。15T高磁場ではたらくSTS/STM装置は世界ではじめてのものである。また、12T超伝導磁石と3He-4He希釈冷却器を組み合わせ、0.16KでのSTM実験が可能になっている。後者のLT/HM-STS/STMは、1.5K装置の改良により走査トンネル分光のS/N比が飛躍的に改良できることが判明、これは今後の課題である。 (2)異方的超伝導体の走査トンネル分光、渦糸状態の実時間・実空間測定:異方性が大きい考えられていたYNi_2B_2Cの渦糸芯準粒子局所状態密度を0.46Kの極低温で観測し、渦糸芯が4回対称星型であり、束縛状態エネルギーの離散性が重要となる量子領域渦糸が実現されていることを明らかにした。これは世界ではじめての観測である。第2種超伝導体渦糸状態の微視的描像確立のための突破口となる実験であると考えている。また、1Tの高磁場下6Kから0.45Kの温度範囲にわたり、渦糸集団運動の実時間測定に成功した。1K以下での渦糸運動の映像化は世界ではじめてのことである。高温超伝導体Bi_2Sr_2CaCu_2O_xの渦糸の運動を6T磁場下で可視化することにも成功。高磁場下で渦糸運動を直接観測する方法は、STS/STM法のみであるので、今後、ピニンッグ効果を含め、渦糸の動的挙動研究の新領域を開いたと考えている。また、MSR法により新しい重い電子系物PrOs_4Sb_<12>の超伝導状態は時間反転対称性を破った状態であることを示した。PrOs_4Sb_<12>は異方的超伝導体である可能性が明らかになったので、その結果をふまえて、LT-STS/STMにより渦糸状態を測定した。
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