研究課題/領域番号 |
14204038
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 肇 東大, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
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研究分担者 |
荒木 武昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20332596)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
36,790千円 (直接経費: 28,300千円、間接経費: 8,490千円)
2004年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2003年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2002年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 動的非対称性 / 粘弾性相分離 / 過渡的ゲル / 数値シミュレーション / 切断バネモデル / コロイドの凝集 / 流体粒子ダイナミクス法 / 流体力学的相互作用 / 高速3次元像観察 / 構造形成ダイナミクス / レーザ走査共焦点顕微鏡 / ネットワーク構造 |
研究概要 |
我々は、高分子溶液系のような大きな分子と小さな分子を混ぜた混合系において、これまでに知られている相分離様式では説明できないまったく新しいタイプの相分離現象を見出し、実験・数値シミュレーション両面から研究を行ってきた。本研究では、粘弾性相分離における過渡的ゲルの形成という点に着目し、2つの異なる数値シミュレーション手法を用いて研究を行った。 (1)過渡的ゲル状態がどのようにしてできるかを調べるため、最も単純な動的非対称系であるコロイド分散系の凝集過程について研究を行った。コロイド分散系の凝集過程において、あまり考慮されていなかった粒子間の流体力学的効果を取り入れるべく、新しい数値シミュレーション法を開発し、研究を行ったところ、流体力学的効果を含まないシミュレーションでは、局所的に凝集エネルギーを得するようクラスター状になるが、流体力学的効果を考慮した場合には粒子は数珠状に連結し、その結果、同じ粒子系であっても、低い濃度で凝集構造はネットワーク構造(過渡的ゲル)を形成することが分かった。 (2)この過渡的ゲル状態をその長さに依存した確率で切断するバネを用いてモデル化し、粘弾性相分離の構造発展の様子を調べた。その結果、粘弾性相分離特有の相分離構造は、2つのパラメータによって特徴付けられることが分かった。1つめは核生成頻度と個々のドロップレットの成長速度に関するもので、2つめはドロップレットの異方的な形状に関するものである。核生成頻度が高い場合には、個々のドロップレットが成長する前に周囲の影響を受けるため、その結果できるネットワーク構造は密で均一である。一方、核生成頻度が低い場合には、ネットワーク構造は粗く多分散的になる。バネが外力に対して脆い場合には、マトリックス相の弾性変形を減らすよう、ドロップレットは亀裂状になる傾向があり、丈夫な場合には、応力集中を分散させるよう球状になる。
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