研究課題/領域番号 |
14204050
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小澤 一仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90160853)
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研究分担者 |
永原 裕子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80172550)
清水 以知子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40211966)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
54,730千円 (直接経費: 42,100千円、間接経費: 12,630千円)
2004年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2003年度: 34,060千円 (直接経費: 26,200千円、間接経費: 7,860千円)
2002年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 上部マントル / かんらん岩 / 珪酸塩メルト / メルト輸送 / 固相-液層反応 / 結晶方位定向性 / 固相-液相反応 / 上部マント |
研究概要 |
マントルにおいて形成されるマグマの化学組成やその量を決める要因として、融解系への流体の注入やメルト分離の重要性が指摘されてきた。本研究では、部分溶融合成系マントル物質中のメルトを実験装置内で浸透流として移動させ、その物理過程を解析した。具体的には、高温・高圧条件下で、数ミリ以上のスケールの珪酸塩メルト-フォルステライト系を通してメルトを移動させて、その移動量や固液共存層の組織変化を調べた。メルト移動の駆動力となる圧力勾配は、ダイヤモンド集合体を円柱状実験カプセルの片端に置き、一旦実験条件で組織平衡に到達させた固液共存層と接触させることで発生させた。実験の結果、固液共存層の性質のうち、液の分率、フォルステライトの粒径と粒径分布の効果について、以下の知見を得ることができた。メルト分率が10%程度で、フォルステライトの平均粒径が50ミクロンで幅広い粒径分布を持つ固液共存層を用いて1250℃で実験した場合(run#4)と、メルト分率が5%程度で、フォルステライトの粒径が10-20ミクロンで均一な固液共存層を用いて1300℃で実験した場合(run#7)を比較した所、run#4の場合のメルト分離量は、run#7の場合の2〜3倍程度であり、形成されたメルト枯渇領域の厚さは、3倍以上であった。浸透率は、Blake-Kozeny-Carman equationから、粒径に2乗、メルト分率に1.5乗で依存しているとされている。二つの実験で、粒径は、平均で約4倍、メルト分率は2倍程度なので、浸透率には、一桁以上の違いが予想されるが、分離量の違いは、大きく見積もっても3倍程度で、BKC式から予想される浸透率と不調和である。これは、2相共存領域の広い粒径分布が大きな圧力勾配領域で効率的に圧密構造を形成し、メルト分離効率を低下させたとことによっている考えられる。この事は、#4のほうが#7に比べて、フォルステライトの形態および結晶方位定向性が顕著であることと調和的である。
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