研究課題
基盤研究(A)
・200℃程度、飽和蒸気圧(200℃で1.55MPa=15.5気圧)までの温度圧力条件下での、鉱物固体-気体(主として水蒸気)平衡系および反応過程における鉱物固体のX線回折実験システムのための試料室を設計製作し、それを用いた測定を行った。既存のX線回折系(集中法光学系)に加えて、平行ビーム光学系によるX線回折装置を導入したシステムと併用して用いることにより、より精度の高い測定と、定量的な解析が可能となった。さらに、400℃、200気圧でのその場X線回折測定用の試料容器の設計を行った。また高速2次元検出器の導入を行った。・実験測定:アルカリ金属元素、Li、Na、K、およびCs、アルカリ土類金属元素、Mg、Ca、Sr、およびBa、および3価のLaで置換したスメクタイト(クニピアF)150℃までの水和膨潤挙動の交換性陽イオンによる系統性を調べた。これによりこれらの鉱物の飽和水和までの水和挙動とそれに伴う構造変化が広い温度範囲で明らかとなった。試料は天然物を精製したものと合成物を用いた。・分子シミュレーション計算:表面を持つ鉱物粒子と流体相からなる多相系の初期構造を作成し、さらに大規模複雑系対応させた。これにより5万原子以上の大規模MD計算が可能となった。粘土層間での陽イオン混合による混合エンタルピーや陽イオンとH2O分子の拡散係数の変化について精密な計算をおこなった。これらを用いて、より複雑多相系として、スメクタイト(端面)-水系、スメクタイト(端面)-水溶液(NaCl,CaCl2など)系、種々の構造状態の蛇紋石-水系・水溶液(NaCl、MgCl2など)系の分子動力学計算を行っている。またゼオライト結晶表面とアンモニア気体系の計算では、アンモニア分子が表面から内部チャンネルに入ってゆく動的構造のデータが得られ、これを詳細に解析することにより非平衡下での吸着・分配についての予測的な研究が可能となりつつある。・総合解析:実験測定結果と分子シミュレーションによる計算結果を用いて、スメクタイト、およびゼオライトの温度と蒸気圧・湿度の変化に対する、構造変化と水和挙動の変化を総合的に解析した。
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