研究課題/領域番号 |
14204052
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北村 雅夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
|
研究分担者 |
下林 典正 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70235688)
三宅 亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10324609)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
2004年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2003年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2002年度: 40,430千円 (直接経費: 31,100千円、間接経費: 9,330千円)
|
キーワード | 造岩鉱物 / 反応過程 / 相変態 / コンピューターシミュレーション |
研究概要 |
地球惑星物質科学では、世界的に古くから鉱物の形成過程や反応過程によって形成された組織からその形成環境や条件の推定が行われてきたが、その現象の複雑さのために、地球や惑星の物質進化の詳細を理解するには不十分なものが多い。しかしながら、理論的背景の確立が行われてこなかったため、ハイテク技術による組織観察の装置の進展があるものの停滞して来たといえる。本研究は、統計力学的理論を鉱物の反応過程に適用できるように発展させ、そのもとに、鉱物間の反応組織の観察を行い、反応組織のもつ情報の解読、特に解読法の確立を目的とするものである。 本研究ではまず、組織解析にとって基本となる累帯構造形成や結晶形態形成過程に関する理論的背景を、統計力学的解析よって確立した。特に、反応界面での平衡の仮定を設けず、一般的な条件を設定し解析した。これらの解析によって、例えば、累帯構造から反応過程での温度変化の加速度の見積もりが可能となることが分かった。また、造岩鉱物、例えばザクロ石や斧石中の累帯構造の組織観察を行い、その理論的背景に立脚してその形成過程の解析を行った。代表的な研究成果としては、ガーネットの形成反応過程で残された組成累帯構造から、変成岩の温度変化の加速度の見積もりを行なった点が挙げられる。これらの結果から、一部不完全ではあるが当初に目的とした結果が得えられたと考えられる。この研究により、世界的にも新しい組織解析が出来るようになり、地球・物質科学に与える影響は大きいと考えられる。 また、本研究は、新しい理論的背景による組織解析の研究であり、地球・惑星科学のみならず、材料科学や結晶成長学等に与える影響も大きいと考えられる。実際、すでに提唱してきた理論や本研究での成果の一部は、地球惑星物質科学関係でなく、結晶成長学等の国際誌に掲載されたものであり、そのような分野における、本研究の重要性を示していると考えられる。
|