研究分担者 |
大高 理 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (40213748)
岡田 卓 大阪大学, 理学研究科, 特任助手 (90343938)
永井 隆哉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243131)
吉朝 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00191536)
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配分額 *注記 |
50,700千円 (直接経費: 39,000千円、間接経費: 11,700千円)
2004年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2003年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2002年度: 37,310千円 (直接経費: 28,700千円、間接経費: 8,610千円)
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研究概要 |
マントル状態での地球深部物質の高圧格子振動解析は単結晶X線回折実験と相補的な関係にある.後者からは原子間距離,結合電子,電子状態,有効電荷の情報が得られるが,格子間力のエネルギ情報は格子振動解析から与えられる.高温,高圧下でのレーザーラマン分光装置を用いて温度や圧力を関数にした結晶力学について議論することを本研究の目的とした. (1)本科学研究費は14〜16年度3年間継続で,始めに格子振動解析の主要装置である日本分光社製の顕微ラマン装置についてラマン散乱スペクトルシステムの立ち上げとその性能テストを行い,低波数領域から目的のバンド領域で,解析に必要な分解能の達成を確認した. (2)国内,国外で粉末試料の高圧ラマン分光実験は行われてきたが,格子振動解析を目的に,異方性を考慮した単結晶試料の高圧下でのラマン分光実験はまだ報告はない.結晶試料方位を規定して高温高圧ラマン散乱実験装置を開発した. (3)マントル中でMgSiO_3は輝石→ガーネット→イルメナイト→ペロブスカイトに転移するが,MgSiO_3,MgGeO_3,MgTiO_3のイルメナイトを合成しこれら3試料の加熱ラマン散乱実験から原子の熱振動による格子間力の違いを議論した. (4)上記3試料について高圧ラマンスペクトル解析を行った.DACに試料と圧力媒体を装填し,圧力を変数にしてラマンシフトを測定し,格子間力の圧力効果を議論した. (5)マントル中の水について理解するために,ケイ酸塩鉱物の温度圧力変化に伴うラマンスペクトルの逐次測定を行う.O-H…0の水素結合の圧力効果の究明し,圧力転移についてその起因力となる体積圧縮率,弾性率,状態方程式等に関して意義付けを行なった. (6)放射光を利用した単結晶構造研究を行い,固体電子論の立場から議論してきた,電子密度の圧力変化,格子歪み,電荷移動等の研究と,高温・高圧状態での単結晶ラマン散乱実験によって地球内部物質の格子力学的観点から議論をした.
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