研究課題/領域番号 |
14204059
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
篠原 久典 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50132725)
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研究分担者 |
菅井 俊樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50262845)
岡崎 俊也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90314054)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
47,060千円 (直接経費: 36,200千円、間接経費: 10,860千円)
2003年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2002年度: 30,290千円 (直接経費: 23,300千円、間接経費: 6,990千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 単層カーボンナノチューブ / 多層カーボンナノチューブ / ピーポッド / CVD法 / 高収率合成 / 高分解能透過型電子顕微鏡 / STM / フラーレン / 金属内包フラーレン / ピーポット / 透過型電子顕微鏡 / HRTEM / ナノリアクター / 電子移動 |
研究概要 |
本研究では、名古屋大学グループが過去12年の間に創製してきた、各種の金属原子を内包したフラーレン(金属内包フラーレン)を高収率で単層カーボンナノチューブ(SWNTs)あるいは多層カーボンナノチューブ(MWNTs)に内包させ、新規のカーボンナノチューブのハイブリッド物質を創製することに成功した。この場合、SWNTsでは1次元的に、MWNTsでは3次元的に金属内包フラーレンをチューブ内部の空間に内包することができた。これらの新規ナノ炭素物質は、金属内包フラーレンからナノチューブへ電子移動のために、今後、通常のナノチューブにはない極めて特異な性質(高い金属性、超伝導性)を示す可能性が高い。 カーボンナノチューブの合成には、主に直流アーク放電法と化学蒸着(CVD)法を併用しんた。CVD法ではSWNTが生成されていなかった。しかし、最近になって本研究グループにより、ゼオライト基盤を用いたCVD法によって、高純度にSWNTとDWNTが合成されるようになった。 ピーポッドの電子物性と電子輸送特性はさらに興味深い。高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)をエネルギー損失分光(EELS)と併用することにより、ピーポッドの内包構造と電子状態の評価を行った。また、高感度ラーマン分光法により、ナノチューブやピーポッドのサイズ(太さ)分布の決定に成功した。さらに、超高真空走査トンネル顕微分光(UHV-STM)とトンネル分光(STS)を併用することにより、単一(individual)ナノチューブとピーポッドのバンドギャップ測定とその位置依存性を評価することが可能となった。 本研究ではさらに、金属内包フラーレン・ピーポッドをFETのチャネルとして組み入れ、その電子輸送特性を評価した。ピーポッドではバンドギャップエンジニアリングだけでなく、FETを作ることによって、ゲート電圧の調整だけで、p, n型の両タイプの半導体特性を実現できることを世界に先駆けて成功した。
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