配分額 *注記 |
55,640千円 (直接経費: 42,800千円、間接経費: 12,840千円)
2004年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2003年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2002年度: 21,970千円 (直接経費: 16,900千円、間接経費: 5,070千円)
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研究概要 |
本研究課題の目的は,我々が開発したエネルギー分散型表面XAFS法をさらに高性能化(測定時間の更なる短縮,エネルギー分解能の向上)し,興味ある固体表面上の構造解析,ダイナミックス,及び,表面磁性の研究に応用することにあった。それらの成果を列挙すると, (1)Pt(111)表面CO酸化反応の解析:本方法によって表面上のO,CO吸着種の被覆率時間依存性をCO圧,基板温度を変えて求めた。さらに,モンテカルロシミュレーションを併用することによって,従来提唱されていた反応機構に加えて,新しい反応機構が存在することを見出した。 (2)Pt(111)上の水生成反応機構の解明:本方法を用いて酸素前吸着したPt(111)表面に低温でH_2を流して水を生成する反応で,O,OH,H_2O吸着種の被覆率の時間変化を追跡し,モンテカルロシミュレーションを併用して,水生成反応の機構,STMによる空間分布の時間変化を再現することができた。 (3)Rh(111)上のNO+N反応機構に関する研究:前駆体としてN_2Oが観測された。また,反応速度の温度依存性は100Kから350Kまで温度上昇と共に減少するという興味ある結果を見出した。 (4)Au(111)表面上のアルカンチオールの吸着構造は理論,実験の研究から多くのモデルが提唱されていた。我々は,新たにX線光電子回折法を用いて,この系の構造解析を行い,これまでの論争に終止符を打った。 (5)磁性薄膜の磁気構造は必ずしも均一ではない。我々は深さ分解XMCD法を開発し,様々な磁性薄膜の磁気構造の深さ分布を調べた。特に,分子吸着によるスピン再配列相転移の現象の解明にこの方法を適用し,薄膜最表層の磁性の大きな変化が原因であることを明らかにした。
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