研究課題/領域番号 |
14204081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
系統・分類
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
片倉 晴雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40113542)
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研究分担者 |
青塚 正志 首都大学東京, 都市教養学部理工学系, 助教授 (40106604)
中野 進 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (70237337)
藤山 直之 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (90360958)
小林 憲生 北海道大学, 総合博物館, 資料部研究員 (00400036)
上野 秀樹 新潟大学, 教育人間学部, 助教授 (10282972)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
56,030千円 (直接経費: 43,100千円、間接経費: 12,930千円)
2005年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2004年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2003年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2002年度: 30,940千円 (直接経費: 23,800千円、間接経費: 7,140千円)
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キーワード | 生態的種分化 / マダラテントウ類 / 寄主特異性 / 生殖隔離 / 量的遺伝学 / DNA解析 / ホストレース / 東・東南アジア / 隠蔽種 / ヨモギハムシ / オオヨモギハムシ種群 / 交配実験 / 分子系統解析 / 量的遺伝子 |
研究概要 |
食植性昆虫における寄主特異的種内品種(ホストレース)経由の同所的種分化の可能性を、マダラテントウ類、Chrysolina属ハムシ類を材料として検討した。主要な成果は以下の通り。 1.同所的に分布するヤマトアザミテントウ(アザミ食)とルイヨウマダラテントウ(ルイヨウボタン食)が食草の違いのみによってほぼ完全に生殖的に隔離されていることを様々な研究(交配実験、網室実験、野外調査、DNA解析)によって明らかにした。さらに、この2種と、その北方に分布しアザミとルイヨウボタンの双方を利用しているエゾアザミテントウの比較から、これらの2種類の食草を1種が独占するか2種が分け合うかに関して、食草間の生活史のずれの大きさが重要であることが示唆された。また、食草の組み合わせによって雑種の適応値が両親種に比べて下がる場合があることも判明し、ヤマトとルイヨウの共存下で雑種に対する淘汰が働いている可能性が出てきた。 2.ニジュウヤホシテントウS型は、ジャワ、スマトラに於いてナス科食からマメ科のムラサキチョウマメモドキを併用する方向に食性の幅を広げつつあることを示した。 3.インドネシアに産するHenosepilachna sp.3にはキク科のMikaniaに依存する集団とシソ科のLeucasなどを利用する集団が分化していることを明らかにした。この2集団はほぼ完全に生殖的に隔離されており、分子系統解析はこの2集団がジャワ島で分化したことを強く示唆している。 本研究の結果、食草の変換が食植性昆虫の生理的能力や生活史の様々な側面に同時進行的に急速かつ重大な影響を与え、それが強い生殖隔離を招く(=種分化を引き起こす)ことが明らかになった。食植性昆虫の同所的種分化に必須な中間段階と考えられているホストレースだが、実際には食草変換を伴う種分化は急速に進行し、このような中間的なステージは経由しないのかもしれない。
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