配分額 *注記 |
55,120千円 (直接経費: 42,400千円、間接経費: 12,720千円)
2004年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2003年度: 20,670千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 4,770千円)
2002年度: 30,030千円 (直接経費: 23,100千円、間接経費: 6,930千円)
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研究概要 |
シリコンと水晶を対象として,単結晶の化学的結晶異方性エッチングメカニズムを,メゾスコピックレベルからミクロンレベルの現象まで,統一的に解明することを目的として研究を実施した.シリコン単結晶に対する主要なエッチング液であるKOHならびにTMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)水溶液のエッチング特性の違いをエッチングメカニズムと関連づけて明らかにした.また,エッチング液中の微量成分がエッチング特性(エッチング速度とその異方性,ならびに表面モフォロジ)を変化させる現象を実験的に研究した.一方,解析的には,シリコン表面の原子ステップ,キンクにおける原子除去確率を,表面吸着原子によるシリコン原子間結合力緩和まで考慮したモンテカルロシミュレーションをおこなって,エッチングメカニズムモデルを検証した.以上の結果,シリコン(111)近傍のエッチング速度を律速するエッチングメカニズムが解明された.(111)近傍では,原子ステップの活性がマクロ的な異方性を直接的に左右することが明らかになり,エッチング液の種類による異方性の逆転現象も説明することが出来た.また,この逆転現象はエッチング液の濃度によっても発生することが判り,エッチング液固有の特殊な問題でないことが明らかになってきた.現在,さらにシリコンの他の表面結晶方位に関して,エッチング速度を律速する過程のモデル化を追求している. これと並行して,シリコン単結晶でこれまでに提案者が実施してきた研究手法を水晶(酸化シリコン単結晶)にも適用して,湿式エッチングにおけるエッチング速度の異方性を全方位に渉って明らかにした.この結果,水晶についても結晶異方性エッチングによるエッチング形状を3次元的に解析予測することが出来るようになった.この技術は水晶を基板材料とするMEMSデバイスの加工プロセス開発に役立てることができる.
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