配分額 *注記 |
53,560千円 (直接経費: 41,200千円、間接経費: 12,360千円)
2004年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2003年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2002年度: 34,190千円 (直接経費: 26,300千円、間接経費: 7,890千円)
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研究概要 |
本研究は,極微量の油剤を圧縮空気と共に切削点近傍に噴霧して加工を行うセミドライ切削の広範な実用化を目的とし,切削点近傍におけるトライボロジ機構を根本的に明らかとすることを第一目的とし,平成14年度から3年間の計画で遂行された.その結果,以下に要約する成果を得ることができた. 1.高真空切削試験機とセミドライ切削試験機による検討 MQL加工の切削トライボロジを明らかとするために雰囲気制御型切削試験機の設計,製作を行い,これを用いてエステル物質,酸素,窒素の金属新生面への吸着特性を解析した.その結果,鋼のセミドライ加工においては,酸素の吸着により生成される酸化膜とエステルの吸着膜の両者による潤滑効果によって,良好な切削性能が得られるものと考えられること,アルミニウム合金のセミドライ加工においては,窒素を供給することが加工性能の向上につながることを明らかとした. 2.基礎的トライボロジ特性と切削性能との関係の解明 モノエステルよりもポリエステルの方が潤滑特性に優れ,とくに化合物1分子中のエステル結合が多いものほど良好であること,MQL供給装置からの吐出量を油剤問で同等にして実用切削性能を評価すると,油剤の加工性能の優劣が通常の摩耗試験による潤滑性能の優劣と近くなること,MQL加工で一般に用いられている2〜30ml/hの吐出量よりはるかに少ない油剤量でも,MQL用合成エステルは比較的高い切削性能を示すことなどが明らかとなった. 3.今後の課題 さらに今後残された課題としては,キャリアガスと切削油剤との間の相互作用に関するより詳細なメカニズムの究明,合成エステル油剤の構造と切削性能との関係についてのさらなる検討,エステル系以外の切削油剤の効果と作用機構の検証,難削材へのMQL加工の展開などが指摘された.
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