配分額 *注記 |
46,280千円 (直接経費: 35,600千円、間接経費: 10,680千円)
2005年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2004年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2003年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
2002年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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研究概要 |
メタマテリアルとは、材料特性(電気的又は機械的)を分散させることで、部品を組み合わせたときと同じ機能を発揮させることができる材料のことである。本研究は、メタマテリアルを用いて,化学分析や生命科学研究で用いるモバイル高機能マイクロTAS(Micro Total Analysis System)を実現するための基礎技術を開発することを目的とした。具体的には,第一に,マイクロTASに必要なポンプ・フィルター・リアクター・センサー等をすべて同じ材料・同じ駆動原理で実現するために必要な要素技術開発を行うこと,また,第二に,エネルギーの供給と分析結果の取り出しを容易にするために,60GHz帯のミリ波を利用可能にすることに関する技術開発を行うことを目的とした。後者に関しては,ホトニックバンドギャップ的な発想により,ナノ誘電体材料を分散することにより全方向性ミリ波アンテナを実現するという,新たなナノ構造制御型マイクロ材料であるメタマテリアルの材料開発およびそれを利用したミリ波デバイスの開発を行った。また,モバイル高機能マイクロTAS内での液体ハンドリングの方法として,溶液を液滴の形で扱い,これを基板上に配置した電極により駆動する新しいシステムを提案し,実験的に実証した。すなわち,表面に疎水処理をした平行ストリップ電極にを用いて,液滴を自己推進(self-propelling)的に駆動するメカニズムを発見し,このメカニズムが液滴の移動後に基板上に残る水分子の吸着層が電界をシールドすることにあることを解明,さらに,その微小化学分析システムへの応用を開発した。 以上の結果,上記マイクロTASとミリ波デバイスを組み合わせることにより,容易に持ち歩くことができるマイクロTASを実現するための基盤技術が確立された。
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