研究課題/領域番号 |
14205042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
陽 完治 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (60220539)
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研究分担者 |
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80250489)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
51,220千円 (直接経費: 39,400千円、間接経費: 11,820千円)
2003年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2002年度: 32,890千円 (直接経費: 25,300千円、間接経費: 7,590千円)
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キーワード | スピン / 強磁性体 / スピン軌道相互作用 / 狭ギャップ半導体 / 分子線エピタキシー / スピン注入 / ラシュバ振動 |
研究概要 |
スピン偏極した電子の強磁性体(鉄)薄膜から半導体(インジウム砒素)への注入に関し、トンネル障壁なしでも高効率のスピン注入が可能であること、これをトランジスタ構造に応用して室温においてもスピントランジスタ動作をすることを確認した。以下にその概略を示す。 (1)面垂方向に磁化した状態でのエレクトロルミネッセンスの偏光度の測定および非磁性薄膜(Al)に対し外部垂直磁場のもとで同様のエレクトロルミネッセンスの偏光度の測定、さらに金属で覆わないインジウム砒素試料表面にレーザー励起光を照射し、フォトルミネッセンスの偏光特性を調べた結果約18-20%の発光の偏極率、約36-40%のスピン注入を確認した。これは、スピンインジェクターとしての鉄薄膜内部のスピン偏極率の40-45%に迫るものである。 (2)2次イオン質量スペクトル解析(SIMS)および透過型断面電子顕微鏡観察(TEM)観察により強磁性体/半導体界面反応の鉄薄膜成長基板温度依存性について調べた。その結果、比較的高温の摂氏175度で成長したものに界面における原子の相互拡散が観測され、比較的低温の摂氏23度で成長したもののついては原子の相互拡散は認められなかった。また、原子層レベルで急峻な界面が形成されていた。ダイオード特性および偏光特性は界面状態とに対応しており、低温成長による試料が優れた整流特性および偏光特性さらに高効率スピン注入の結果をもたらした。 (3)これまでのスピン注入技術の成果を生かし、高インジウム含有のインジウム・ガリウム砒素3元混晶を歪層チャンネルとする変調ドープトランジスタに鉄のソース/ドレイン電極を形成したスピントランジスタ構造を作製した。ゲート電圧によるスピン電流変調が初めて観測された。室温においても30%の電流差を観測した。
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