研究課題/領域番号 |
14205043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 直 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00187402)
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研究分担者 |
三田 吉郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40323472)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
50,700千円 (直接経費: 39,000千円、間接経費: 11,700千円)
2004年度: 13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2003年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2002年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
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キーワード | 心理学的脳モデル / VLSIシステム / 画像認識 / 強誘電体メモリ / Hetero Gate Floatin Gate MOS / DPマッチング / 顔検出 / エッジ検出 / 連想プロセッサ / エッジフィルタ / アナログVLSI / CDMA / マッチトフィルタ / エピソード記憶 / エピソード連想 / シーケンスマッチング / 遅延ロジック / PPEDベクトル / Multiple Clueサーチ / アナログ連想回路 / 右脳・左脳統合プロセサ / 音声認識 / 言語認識 / CDMAマッチトフィルタ / ワイドバンドCDMA |
研究概要 |
人間のように柔軟に状況を把握し、即座に連切な判断の下せる電子システムの実現を目指し、本研究を行った。高度なソフトウェア技術で人間の認知過程を模擬するのではなく、人の心の働きを、それも意識下の情報処理も含め詳細に観察し、これにヒントを得た新たなVLSIアーキテクチャで実現する研究である。 過去の記憶を大量に保持し、入力事象に最も似通った事例を瞬時に連想想起する連想プロセッサを、強誘電体薄膜を記憶媒体として用いる新たな回路で開発した。連想演算中に生じる分極変化によって記憶内容が劣化する問題は、我々が提案、したヘテロゲート強誘電体フローティングゲートMOSの導入で解決した。またこの方式の有用性を、強誘電休薄膜の電気的特性を詳細に測定評価することにより、携帯電話のような、消費電力への制限が非常に厳しいシステムに知的機能を付与する際、極めて有効であることを示した。また人間の記憶には、一連の出来事を時系列で覚えているエピソード記憶があるが、その連想想起には、最も似通ったシーケンスを探し出す処理、つまり一部に欠けがあったり他のものが混じっていても、的確に最も似通ったシーケンスを探し出してくる処理が必要である。これを、独自の遅延エンコーディングロジック回路の開発により実現した。各事象間の類似度を時間軸上のアナログ値で表し、電圧信号はデジタル値とすることでデジタル回路と同じスケーリング則が適用でき、高速・低消費電力システムが実現した。 顔による個人認証技術は進んでいるが、雑多な情景のなかから人間の顔だけを抽出してくる「顔検出」は、まだまだ困難である。これまで開発してきたエッジベースのベクトル表現を発展させ、照明条件の変化、ピントのボケ、大きさの変化、さらに回転した顔に対してもロバストに顔検出できるシステムを開発した。false negative free(間違ったものを顔として検出しても、真の顔は絶対に逃さない)の特性を持っており、心霊写真的な顔もすべて検出できる。さらに、「もしこれが本当の顔ならば、・・・であるはず」といった思考検証プロセスで真の顔だけを選び出す。このシステムのボトルネックは、演算コストの非常に高い画像から特徴ベクトルを抽出する処理である。これに特化したVLSIチップを開発した。たった100MHzの動作で、2GHzのCPUを用いたPC上でのソフトウェア処理に比べ、約10,000倍の高速化を達成した。
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