研究課題/領域番号 |
14205044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30126924)
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研究分担者 |
澤田 和明 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40235461)
高尾 英邦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40314091)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
48,490千円 (直接経費: 37,300千円、間接経費: 11,190千円)
2004年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2003年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2002年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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キーワード | スマートチップ / 微細針電極 / 単結晶シリコンプローブアレイ / VLS選択成長 / 細胞電位計測 / 網膜、脳科学 / MOSFET on Si(111) / マイクロ・ナノテクノロジー / 細胞電立計測 / 単結晶シリコンプローブレイ / 網膜,脳科学 |
研究概要 |
脳科学、生体・生理工学の分野において、多数細胞の電位分布取得による脳・各種神経系の解析が非常に重要視されている。しかし、現在市販されている細胞電位記録用の微小電極アレイデバイスは、電極サイズ、配列間隔共に非常に大きく、細胞集団の解析には適さなかった。一方で、本研究で提案するSi(シリコン)プローブ電極アレイチップは、電極サイズ、間隔が既存技術の1/10を達成し、これまでの電極の問題点を一掃する。更にこのプローブ電極は、同一基板上に信号処理回路(IC)の集積化が可能な利点を有する。本研究期間ではこのような新規の電極デバイスの実現を目指し、以下に示す知見を得た。 1.直径数ミクロン程度の単一細胞と同等の微小Siプローブ電極(直径2μm、長さ〜300μm)の成長条件を確立。 2.生体組織内細胞記録用とし、Siプローブの低抵抗化、プローブ側壁絶縁膜の形成、先端生体適合性金属(Au,Pt,Ir)成膜プロセスを確立。生理溶液中でのプローブ電極の交流特性は細胞電位を記録するのに十分な値を示した。 3.Siプローブ用インターフェース技術とし、Si(111)基板を用いた集積回路(IC)製作技術を確立。実際にSiプローブをIC上に製作し、プロセス互換性の検討、回路特性評価より、Siプローブ電極とICとの一体化の実現性を示した。 4.細胞を用いる生理実験を考慮し、上記の要素技術を基に測定用電極チップの設計、製作した。また、電極チップの実装技術にも焦点を当て、各種生理実験に適用出来る実用レベルでの実装を行った。 5.電極チップの評価として、擬似信号記録試験、ノイズレベル評価を行い、細胞電位記録用としての有用性を示した。 6.細胞電位記録として、網膜(鯉)の光応答試験を行った。実際の網膜を電極デバイス上に設置し、網膜の光刺激を行ったところ、光刺激に対応した細胞電位(ERG:網膜電図)を検出することに成功した。 本電極デバイスは、その新規性とデバイス製作技術の高さで評価される。一方、細胞測定分野からの評価も高い。このような微小電極での細胞電位記録の前例は無く、本電極デバイスは細胞集団の詳細な電位記録が行える唯一の電極技術としての期待されている。このように本研究で得られた成果は多く、また波及効果も他分野にわたり多大である。
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