配分額 *注記 |
54,080千円 (直接経費: 41,600千円、間接経費: 12,480千円)
2004年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2003年度: 26,390千円 (直接経費: 20,300千円、間接経費: 6,090千円)
2002年度: 21,970千円 (直接経費: 16,900千円、間接経費: 5,070千円)
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研究概要 |
本研究は1次元から3次元ナノスケール構造を人為的に形成した磁性構造体について,そのスピン依存線形・非線形光学特性を総合的に解明することで,3年間の研究期間内にスピン制御可能な新たな光材料の創製とそのマイクロ光磁気デバイスへの基礎的性質を探求しようとしたものである. (1)1次元磁性フォトニック結晶の形成とその線形・非線形磁気光学効果の測定 昨年度までに,磁性体欠陥層を1層だけを加えた1次元磁性フォトニック結晶を作製し,その線形および非線形磁気光学効果の測定を行なった.今年度は,磁性体2層から成る構造の磁性フォトニック結晶を作製し,その線形の透過光スペクトルの測定,そして光パラメトリック発振による波長400nmから1800nmまでのレーザ光を利用し,第2次高調波発生と第3次高調波発生の非線形磁気光学効果の測定を行なった.その結果,光のバンドギャップの幅を可変できることを確認した.次に,2種類の誘電体薄膜の一方に磁性体ガーネット薄膜を使用した構造の結晶について調べた.この結晶では,フォトニック・バンドギャップのエッジ付近で大きなファラデー回転が起ること,非線形磁気光学カー効果のコントラストがほとんど1になることがわかった. (2)2次元磁性フォトニック結晶の形成 自己組織化した陽極酸化ポーラスアルミナテンプレートを用い,ガーネット薄膜をArイオンスパッタすることで,逆構造2次元磁性フォトニック結晶を作製した.さらに完全な2次元配列を得るために,電子ビーム露光装置を使用してポーラスアルミナテンプレートを作製した.現在,この2次元磁性フォトニック結晶の線形・非線形磁気学効果の測定を行なっている. (3)3次元磁性フォトニック結晶の形成 微粒子沈降法によるオパール構造の作製法を用いて,3次元磁性フォトニック結晶の形成を行った.沈降するシリカ球に磁性体のフェライトをメッキする方法の開発,そしてシリカ球で形成したオパール構造体の中にフェライトの材料となる溶液を浸漬させてから,フェライトを内部に充填する方法の開発を行なった.実験の結果,反応溶液の種類,濃度,PH値などを調整することによって,シリカ球にフェライトをコートすることが可能であり,そしてオパール構造の中に,フェライトやTb_3Ga_5O_<12>などの充填が可能になった.これら2種類の方法による3次元磁性フォトニック結晶の作製を進め,線形光学特性の測定を行なっている.
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