研究課題/領域番号 |
14205052
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20016463)
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研究分担者 |
平山 昌樹 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教授 (70250701)
小谷 光司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20250699)
須川 成利 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70321974)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
55,380千円 (直接経費: 42,600千円、間接経費: 12,780千円)
2003年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2002年度: 39,520千円 (直接経費: 30,400千円、間接経費: 9,120千円)
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キーワード | Si(110)面 / Si_3N_4ゲート絶縁膜 / Balanced-CMOS集積回路 / 1 / fノイズ / 室温5工程洗浄 / システムLSI / チャネル移動度 / マイクロ波励起高密度プラズマ / Si(110) / SOI / CMOS / 陽極化成 |
研究概要 |
50nm世代までスケーリングメリットが得られる唯一の集積回路構造,即ち,Si(110)面を用いたSi3N4ゲート絶縁膜金属ゲート電極(bcc-Ta/TaN)金属基板SOI・Balanced-CMOS集積回路およびその製造技術を世界に先駆けて確立することを目的としている。ゲート絶縁膜として用いるシリコン窒化膜の高性能化に関し、シリコン窒化膜を形成するために必要なNH*ラジカルを生成するためのベースになるマイクロ波励起高密度プラズマ励起ガスとして従来から用いていたArに替わり、電子温度の低く(0.5eV)イオン照射ダメージの全く発生しないXeを用いることで、シリコン窒化膜の寿命(Qbd)を3万倍向上させることに成功した。さらに、1/fノイズを徹底的に低減し、かつチャネル移動度を上昇させるためには、ゲート絶縁膜とSi界面を徹底的に平坦化する必要があったが、Si(110)面のゲート絶縁膜形成前の洗浄を従来のRCA洗浄から室温5工程洗浄へ変更し、平坦化酸化プロセスを導入することで、平坦度(Ra)を0.08nmまで低減することに成功した。これにより、ホールの移動度が従来の(100)面基板に比べて2.5倍となり電子の移動度(1.3倍)と略々バランスがとれるのみならず、1/fノイズも従来のシリコン(100)面上へ製作したnMOSに比べ、nMOS、pMOSともに2桁近い低減を実現した。確立した製造技術を基に、Si(110)面上へnMOS、pMOSの面積を同等としたBalanced-CMOSを初めて作成しその入出力特性を評価したところ、電源電圧の1/2の入力電圧において出力電圧もほぼ1/2となり、理論予想通りの結果が得られた。さらに、101段のCMOSリングオシュレータを作成してその発振に成功し、従来の(100)面CMOSに対する(110)面を用いる優位性を実証するとともに、10GHz以上の周波数で動作するワイヤレス時代の多様なネットワーク情報家電向けシステムLSIの基盤技術を確立した。
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