配分額 *注記 |
50,440千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 11,640千円)
2004年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2003年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2002年度: 27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
廃棄物処分に際しては,廃棄物に含まれる各種化学物質による周辺環境の汚染を防止し,適正に環境リスクを管理することが求められる。本研究では,廃棄物最終処分場の建設,廃棄物埋立,維持管理,跡地利用といった一連の過程において合理的に環境リスクを低減,制御する方策の確立と,それに必要となる学術的知見を蓄積することを目的とした研究を実施した。得られた成果の概要は以下の通りである。 1.廃棄物処分等に伴い問題となる重金属,有機塩素化合物といった環境質を対象として,処分場内や地盤中での動態,および固化処理,遮水壁等を用いた対策工の適用性とそのメカニズムを詳細に評価した。特に,処分場内部と粘土ライナー周辺における埋立廃棄物から溶出する重金属の動態を実験的に評価し,生化学的条件の変化が重金属の移動性,安定性に及ぼす影響を明らかにした。 2.廃棄物処分場から発生する浸出水対策として,カバーシステムによる浸出水の発生抑制と遮水工による周辺環境の汚染防止という2つの観点からアプローチを行い,要求される性能や適正な構造,遮水工材料が乾燥や化学物質に暴露された際の耐久性について実験的に検討を行った。主な成果として,室内試験で得られたカバー材料の透水・透気特性に基づいて,発生ガスを含めたカバーシステムの環境改善効果を定量化した。さらに,遮水工材料に用いられるジオシンセティッククレイライナーの透水性に及ぼす浸出水中の化学物質濃度やプレハイドレーション,上載圧の影響を室内透水試験により明らかにした。 3.廃棄物処分に伴う環境リスクの合理的な低減策を提案するために,環境リスク評価に基づく対策工の立案手法を示すとともに,廃棄物の有効利用や廃棄物処分場の跡地利用を含めた広い観点から廃棄物の適正処分方策を示し,その際の環境リスクを実験的に評価した。さらに,廃棄物処分に伴い発生する環境リスクの総合的な管理手法を提示した。
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