研究分担者 |
茅根 創 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60192548)
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (50153838)
八木 宏 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (80201820)
鹿熊 信一郎 (財)亜熱帯総合研究所, 研究部, 研究主幹
波利井 佐紀 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
大見謝 辰男 沖縄県衛生環境研究所, 赤土研究室, 室長
安村 茂樹 財)世界自然保護基金日本委員会, サンゴ礁保護研究センター, 研究員
|
配分額 *注記 |
49,010千円 (直接経費: 37,700千円、間接経費: 11,310千円)
2004年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2003年度: 16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2002年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
|
研究概要 |
1)石垣島・吹通川河口域と轟川河口域の「サンゴ礁-藻場-干潟-マングローブ」統合生態系を対象とした現地調査を行い,そこでの流動場や熱・物質輸送特性,およびサンゴ群集代謝などの基本特性を明らかにした.また,これらの浅水域での流動,熱・物資輸送過程を高精度でシミュレートできる数値モデルを開発した.2)従来の単純な海底反射率概念によらない光学的キャノピー層モデルを開発し,非線形逆推定モデルと組み合わせることにより,リモセン画像からサンゴや藻場のキャノピー層の厚さや密度,水深等を高精度で推定できるモデルを開発した.また,サンゴ礁内の赤土堆積の状況をモニタリングするためのリモセン画像解析法を開発した.3)石垣島・西表島および石西礁湖海域に関する過去の複数時点でのLANDSAT-TM画像を解析することにより,土地利用および植生被覆状態の経時変化特性を明らかにするとともに,表層土壌(赤土)流出特性とその経時変化に関する流域間比較,さらにはそれらと隣接サンゴ礁域におけるサンゴ被覆度や赤土堆積状態等の経時変化との対応関係を明らかにした.4)広域的なサンゴ礁間連結性の実態を解明する目的で沖縄本島西方海域を対象とした総合的な現地調査を行い,GPS搭載型小型漂流ブイ観測やHFレーダによる広域海洋表層流動観測,広域多点プランクトンネット採取等によって,慶良間列島から沖縄本島西岸域に向けてのサンゴ幼生の時空間的な輸送・分散過程およびそれを支配する海水流動構造の実態を明らかにした.そして,JCOPEモデルによる計算結果を同化させる形で黒潮影響を直接取り込んだ多重ネスティング海水流動モデルを開発することによって,この慶良間列島から沖縄本島西岸域に向けての幼生輸送過程を高精度に再現することに成功するとともに,それをもたらす海水流動パターンの発生メカニズムを明らかにした.さらに,この数値モデルによって,琉球列島全体にわたるより広域的なサンゴ礁間連結性の存在を明らかにした.5)現在,琉球列島で大発生しつつあるオニヒトデの広域動態を明らかにするため,従来不可能であったオニヒトデ幼生の判別システムの開発に成功するとともに,琉球列島でのオニヒトデ産卵期を特定し海水温との密接な関係を明らかにした.また,オニヒトデの広域的なメタ個体群動態把握のための遺伝子マーカーを開発することに成功した.
|