研究課題/領域番号 |
14205077
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 義公 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00040999)
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研究分担者 |
岡部 聡 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10253816)
木村 克輝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10292054)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
39,130千円 (直接経費: 30,100千円、間接経費: 9,030千円)
2004年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2003年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2002年度: 19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
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キーワード | 膜ファウリング / ハイブリッド / 凝集剤 / PSI / MBR / 窒素除去 / 無酸素部 / Chloroflexi / 好気部 / 生物相 / Bacteroides / Real-Time PCR法 / 膜分離活性汚泥法 / 粘性 / 微粒子 / 重合ケイ酸 / 多糖類類似物質 / 前凝集沈殿処理 / F / M比 / 細菌相 / 粒径分布 / 環境ホルモン |
研究概要 |
1)膜ファウリング機構の解明および抑制 実都市下水を用いた多系列の膜分離活性汚泥処理実験を行い、運転条件、前処理の有無が反応槽内汚泥の性状に及ぼす影響について検討した。反応槽内汚泥濃度の上昇に伴って槽内汚泥の粘度が上昇し、膜ろ過運転を困難にするが、特に汚泥濃度が10,000mg/Lを超過する際に粘度の上昇が顕著になる傾向が観察された。前凝集沈殿処理を行うことでこれらの粘度上昇は良好に抑制されうることを見いだした。 2)ハイブリッドMBRでは窒素除去率が低いことを改善するために、PVDF製のMF平膜を用いたMBR内に仕切り板を入れて、MBRの水位を変化させて槽内に好気部と無酸素部を同時に形成する新たなMBRを開発した。このMBRでは処理水の全窒素濃度が5mg/l程度となった。また、MBR内の生物相の解析によって、MBR内には糸状細菌であるChloroflexiが活性汚泥ばっき槽内と比較して極めて高い存在割合を占めていることを明らかにした。Chloroflexiは死滅細菌由来の有機物のスカベンジャーとして機能し、溶解性有機物の蓄積による膜ファウリングの抑制に寄与していることが示唆された。 3)処理水の再利用の観点から、Bacteroides属とPrevotella属を指標として、迅速かつ正確に人獣の糞便由来の病原性微生物の存在をチェックできる新たな分子生物学的手法を開発し、実河川の水質測定に適用した。その結果開発された手法によって、人、牛、豚の糞便汚染を区別できることが明らかになり、処理水の安全性の確認のみではなく、河川の糞便汚染の汚染源を特定できるようになった。 4)新規吸着剤であるジルコニアメゾ構造体(ZS)をリン酸吸着に適用した結果、ZSに含まれるSO_4^<2->とOH^-がリン酸イオンと陰イオン交換することで、リン酸を選択的に吸着する機構を明らかにした。その最大吸着能約3500μM/gZSであり、既存の吸着剤の1.7倍に達した。ZSに吸着されたリン酸はクエン酸溶液(pH=4.5)やNaOH溶液に浸すことで容易に溶出した。今後はZSの再生方法と高濃度・高純度に濃縮されたリン酸溶液からの硝析脱リンによるリン回収技術の確立を計画している。
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