配分額 *注記 |
48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
2004年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2003年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2002年度: 29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
本研究はオーステナイト母相(A1)の強化相としてA_2B型のTCP相とA_3B型のGCP相を取り上げ,前者と後者に対してそれぞれC14型構造のFe_2Nb Laves相とD0_<22>型構造のNi_3Vを中心に,Fe-Ni-M3元系及びFe-Ni-Cr-M4元系状態図(M:遷移金属元素),相変態,析出など平衡論,速度論,結晶学,金属組織学的観点から基礎研究を行い,合金設計に対する新たな可能性と設計指針を示したものである. TCP Fe_2Nb相はFeサイトにNi,また,Nbサイトに遷移金属元素M(例えばZrなど)を相当量固溶し,オーステナイト(A1)と広い組成領域で平衡する.そこで,置換サイトを利用した固溶元素量を制御することによりそのc/a比を理想値1.633に近づけると,母相中に微細均一に析出することを明らかした.その結果,Fe-Ni-Cr-Nbをベースとしたモデル合金を提案した. GCP Ni_3V相は,高温相であるA1(fcc)母相からの急冷によって[010]と{101}を晶癖面とするMulti-variant組織を形成する.これはA1→D0_<22>変態において母相とD0_<22>相の格子定数の違い(α_<D022><α_<A1><C_<D022>)から生じる弾性ひずみを最小にするためであることを明らかにした.また,このMulti-variant組織を有し,且つ,A1/D0_<22>2相となるような組成領域を明らかにした.この2相組織は,母相とD0_<22>相の格子ミスフィットの制御によりMaze(迷路)状あるいはChessboard状などさまざまにその形態を制御できる.特にα_<D022>とα_<A1>のミスフィットの大小がD0_<22>相の形態と密接に関連する.また,800℃において長時間時効しても整合組織を維持する.これらの知見から,NiとVををれぞれFeとNbに置換すれば,体積率を自由に変え,目的に応じた強度特性を有する鍛造オーステナイト耐熱鋼への展開が可能になることを示した.
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