配分額 *注記 |
32,370千円 (直接経費: 24,900千円、間接経費: 7,470千円)
2004年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2003年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2002年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
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研究概要 |
(1)母相オーステナイト中の転位および析出物のマルテンサイトへの受け継ぎ挙動] Fe-20%Ni-5%Mn合金を用いてオースフォームドマルテンサイトの内部組織を観察し,オーステナイト母相中に導入されたすべり転位がラスマルテンサイトに受け継がれることを見出した.Fe-33%Ni-10%Co-4%Ti合金を用いてオーステナイトより整合析出したγ'-Ni3Tiのマルテンサイト中への受け継ぎ挙動を調べ,熱弾性マルテンサイトではγ'析出物はマルテンサイトと同じくせん断変形で構造が変化するが,高温側で生成する非熱弾性マルテンサイトでは,析出物はγ'の構造を保ってそのまま受け継がれることがわかった. (2)オーステナイト中の析出物によるマルテンサイトの微細化効果] Fe-(1.5-2)%Mn-0.2%C合金およびS,V,N少量添加材で種々の粒径のオーステナイトから生成したラスマルテンサイト組織を調べ,オーステナイト粒の超微細化に伴いマルテンサイトの強度がブロック径に対するHal-Petchの関係に従って上昇することを見出した.粗大オーステナイトから整合析出したV(C,N)の微細分散により,オーステナイト粒内でラスのバリアントが種々異なる微細ブロックが形成され,マルテンサイト組織が微細化されることを明らかにした. (3)母相オーステナイト中の転位の受け継ぎによるマルテンサイト/ベイナイト組織の変化] Fe-31,33%Ni合金を用いて,レンズマルテンサイト中の欠陥組織を電子顕微鏡観察により調べ,変態歪の塑性緩和でオーステナイト中に導入された転位がマルテンサイト界面付近で受け継がれ,レンズマルテンサイト中に局所的な方位回転が生じることを明らかにした.また,炭素量を種々変化させたFe-Ni-C合金のオースフォームドマルテンサイトおよびベイナイト組織を調べ,オースフォームよりラスマルテンサイトパケット・ブロックは微細になるが,ベイナイトでは逆にブロックが粗大化すること.このベイナイトブロックの粗大化傾向は炭素量が高いほど顕著になることを明らかにした.
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