研究課題/領域番号 |
14205122
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
|
研究機関 | 九州大学 (2003-2005) 静岡大学 (2002) |
研究代表者 |
長村 利彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90117200)
|
研究分担者 |
田中 敬二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20325509)
伊藤 冬樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80403921)
川井 秀記 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (80324341)
稲垣 由夫 富士写真フィルム(株), 足柄研究所, 主任研究員
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
54,730千円 (直接経費: 42,100千円、間接経費: 12,630千円)
2005年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2004年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2003年度: 16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2002年度: 23,270千円 (直接経費: 17,900千円、間接経費: 5,370千円)
|
キーワード | ナノ材料 / 蛍光寿命 / 表面プラズモン共鳴 / 高分子物性 / 導波モード / 酸化還元クロモフォア / 高分子化合物 / ESRスペクトル / 光通信波長域での吸収制御 / イオン対間光誘起電子移動 / フェムト秒パルス / 導波モード薄膜 / 電場増強エバネッセント光 / DNA誘導体超薄膜 / 蛍光の超高感度計測 / 高性能ガスセンシング / 電子移動消光 / 有機超薄膜 / 時間分割蛍光測定 / ピコ秒レーザー / 電場増強 |
研究概要 |
膜厚30-50nmの金属薄膜上に、クロモフォアを含む約2〜数百nm厚の有機超薄膜を形成し、プリズムを介して適当な入射角で表面プラズモン共鳴(SPR)あるいは導波モード(GWM)を励振することにより得られる電場増強を用いて、効率良くクロモフォアを励起できる。本研究ではこれを定常および時間分割蛍光の高感度計測システムの構成と応用に展開した。 1)励起光としてピコ秒レーザーを用いてSPRあるいはGWM励起時間分割蛍光測定システムを構成した。蛍光強度は励起光入射角に著しく依存し共鳴条件では約2桁増強され、20nm程度の超薄膜中の時間分割蛍光測定が良い精度でできた。 2)DNAおよびその疎水化誘導体に蛍光色素を取り込んで固定化した薄膜系のSPR励起蛍光による窒素ガスおよび窒素酸化物ガスの高性能センシングを実現した。 3)酸化還元クロモフォアとしてビスピリジニウミルフルオレンを主鎖の一部にもつ高分子化合物を合成した。光照射により可視〜近赤外域に大きな吸収変化が観測され、光電子移動による光通信波長域での吸収制御が実現された。 4)ポリビニルアルコールおよびトリシクロデカン高分子中に蛍光色素を微量分散し、超薄膜のSPR・GWM励起による時間分割蛍光測定を行った。表面あるいは界面における蛍光分子の挙動がバルクとはかなり異なることを明らかにした。 5)金属薄膜の代わりに低屈折率高分子を用いる新しい導波モード系を提案した。光応答膜として上記3)の高分子を用いて、フェムト秒白色光の反射スペクトル変化が超高速でおきることを確認した。 このような結果は、GWMおよびSPRが薄膜に閉込められ電場増強された励起光として、またもう一つの光で制御するための信号光として有用であることを示すものであり、化学センサ、高分子の分子鎖運動性の非接触評価、分子フォトニクスなどへの大きな寄与が期待される。
|