研究課題/領域番号 |
14205124
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 重人 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (10304841)
|
研究分担者 |
山木 準一 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (70294981)
江頭 港 山口大学, 工学部, 助教授 (20304842)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)
2004年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2003年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2002年度: 33,020千円 (直接経費: 25,400千円、間接経費: 7,620千円)
|
キーワード | リチウム二次電池 / 正極活物質 / インターカレーション / ホスト化合物 |
研究概要 |
次世代の安価高エネルギー密度ポストリチウムイオン電池用正極活物質の実現をめざし、実施された5つのアプローチの成果を下記に列記する。 1)リン酸鉄の新規合成法(合成プロセスの短縮・低コスト化):高温溶融法により、反応性は低いが安価な酸化鉄を原料に、分単位の加熱時間での短時間合成に成功した。また大気中での合成が不可能なオリビン型LiFePO_4の代わりに、鉄三価三方晶FePO_4に着目し、鉄とリン酸という最も安価な出発原料の組み合わせからなる大気中湿式合成による非晶質体の合成に成功、140mAh/gの可逆容量をもつFePO_4正極とNa負極の組み合わせの最も安価な二次電池系を実現した。 2)リン酸縮合系(頂点共有縮合塩によるカチオン収容サイトの拡大):(P_2O_7)^<4->ピロリン酸系LiFeP_2O_7において、中心金属をVおよびTiに置換したLiVP_2O_7とTiP_2O_7の単相化と、結晶構造の精密化に成功し、2価/3価、3価/4価間の2段のレドックスが原理的に可能であることを実証した。また、(MoO_2)_2P_2O_7においてナトリウム電池用正極としては過去最高の可逆容量となる150mAh/gの充放電が得られることを見出した。 3)ケイ酸系(Li含有量倍増による大容量化):リン酸鉄LiMPO_4においてP^<5+>をより電気陰性度の小さなSi^<4+>に元素置換することで、Liの2倍の理論容量を持つLi_2CoSiO_4の単相合成に成功した。 4)ホウ酸系(軽量ポリアニオン導入による大容量化):最も安価軽量ポリアニオンであるBO_3ホウ酸基をもつカルサイト型FeBO_3において市販黒鉛系負極を凌ぐ比容積可逆容量を得ることに成功した。また、VやTiに置換することで、大容量負極として好適な放電電圧にチューニングすることに成功した。 5)フッ素含有ポリアニオン系(フッ素導入による高電圧化):新規物質Li_2CoPO_4Fの単相合成に成功、その理論容量はオリビン型LiCoPO_4の2倍で、放電電圧は4.8Vに達した。
|