研究課題
基盤研究(A)
本研究は、まず、有用な天然生理活性物質の全合成を新しい合成法と戦略を展開して完成する。続いて、その手法を効果的に応用することによって種々の構造ユニットを合成し、構造-活性相関研究から活性発現機構を明らかにする。つぎに、特徴ある活性を示す構造ユニットを見いだし、最終的に副作用の少ない新薬のリード化合物を創製し工業的合成法も開発する。すなわち、「すべては全合成から始まる」を例証することを目的とした。研究対象物質は、新規医薬品としての開発が期待されている9種類の天然物であるが、それぞれについて当初の目的を達成した。1)抗菌活性とエストロゲン拮抗作用を有する非ステロイド系のナピラジオマイシン類の初の全合成を完成させて一般的合成法を確立した。2)制がん活性を示すUCE6の初の全合成を既に完成したテトラサイクリンの方法論を活用して完成した。3)保湿効果と皮膚改善作用を有するスピラクレオシド類をユリ科の根茎から単離し、部分構造の合成によって構造を決定した。4)抗菌活性、免疫抑制作用、骨吸収阻害活性を有するルミナシン類の初の全合成を完成して絶対構造を決定した。さらに、構造ユニットを合成し構造-活性相関研究により新しい活性を示す構造ユニットを見いだした。5)制がん作用と抗HIV活性を示すエシュバイレノール類(エラグ酸誘導体)の初の全合成を完成した。6)制がん作用と抗菌活性を示すコクレアマイシン類の初の全合成も完成した。7)養殖魚の敗血症に有効で抗菌活性を有するテトロデカマイシン類の全合成に必要な新規合成法を開発すると同時に構造ユニットの合成を行った。8)制がん作用と免疫抑制作用を有するリンホスチンの初の全合成を完成した。9)制がん作用を有するBE-54238Bの初の全合成を既に完成したナナオマイシン類などのエナンチオジバージェント合成法を活用して完成し絶対構造を確証した。
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