研究課題/領域番号 |
14205129
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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研究分担者 |
折田 明浩 岡山理科大学, 工学部, 助教授 (30262033)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
54,080千円 (直接経費: 41,600千円、間接経費: 12,480千円)
2005年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2004年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2003年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2002年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
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キーワード | 触媒 / スズ / エステル / カルボン酸 / アルコール / fluorous biphase technology / グリーンケミストリー / ジスタノキサン |
研究概要 |
新規フルオラスジスタノキサン[XR^F_2SnOSnR^F_2Y]_2(R^F=C_6F_<13>C_2H_4;C_4F_9C_2H_4,X, Y=C1,Br, NCS)を合成した。予想通りこれらの化合物は親フッ素性が強く、FC-72/有機溶媒二相混合系に溶解させると前者に極めて高い分配率を示した。この触媒を用いてフルオラスニ相系エステル交換反応、エステル化反応を行うと触媒がFC-72層から定量的に回収され、20回以上リサイクルできることが判明した。さらに重要な点として、それぞれの反応を理論量のアルコールとエステルを用いるだけで脱水操作なしに目的エステルが100%収率で得られた。すなわち、不均一反応系を利用することにより従来不可能であった平衡反応における100%転換率を実現した。次にジスタノキサン中の塩素をよりフッ素含有量の大きいC_8F_<17>SO_3ならびに(C_8H_<17>SO_2)_2Nで置換してさらなる親フッ素性の向上を試みた。対応するジスタノキサンは水和物として得られたが、予期に反してこれらの化合物はフッ素系溶媒には全く溶解しないことが明らかとなった。一方極性有機溶媒には高い溶解度を示したが、驚くべきことにFC-72/極性有機溶媒二相系にこれらジスタノキサンを溶解すると極めて高い分配率でFC-72に分配された。この異常な溶解度は水和物が有機溶媒に溶媒和されることで本来の親フッ素性が回復することによると説明される。さらに、ジスタノキサンはフッ素溶媒と極性有機溶媒を均一化させる能力があり、フルオラス界面活性剤として機能することが見いだされた。 以上、本研究により従来知られていなかった重要な知見が明らかにされた。これらの結果、フルオラス化学、特にフルオラス触媒に新しい局面が開けるものと期待される。
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