配分額 *注記 |
32,630千円 (直接経費: 25,100千円、間接経費: 7,530千円)
2004年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2003年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2002年度: 19,630千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 4,530千円)
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研究概要 |
宇宙環境下に晒される誘電体および誘電体に入射する電子線を模擬するために,超高真空排気装置(平成14年度)および電子線照射装置(平成15年度)を導入し,電子線照射試験を行った.対象となる材料は宇宙機によく用いられるKaptonやTeflonなどの絶縁体を中心にして行った.また,太陽電池パネルを保護するために使用される表面ガラス材料に対しても照射試験を行い,試料内部の電荷蓄積分布状況を明らかにした.その結果,試料内部にはピークを一つ持つように電荷が蓄積し,ピークの深さは入射電子エネルギーに比例して深くなることを確認した.分布の形状はガラスを除く誘電体材料はほぼ似たような分布となった.ガラスに関してはガラス種類により異なることがわかった.ガラス組成と電荷分布との関連を考察したが,未だ明らかな因果関係は得ちれていない.誘電体に対する帯電現象にっいては,実験結果をまとめデータベース化を行う予定である.放電現象に関しては,電子線照射装置の電流不足から十分な実験を行うことが出来なった.一方,琿論的な考察を行うために,誘電体構成原子と入射電子との衝突を量子力学に基づいたモデルによって記述し,それを用いてコンピュータシミュレーションを行った.電子の移動を再現するために,モンテ・カルロ法に基づいた粒子追跡法を利用した.このような計算手法では,多くのメモリおよび計算機能力が必要なので,パーソナルコンピュータ用CPUを並列に構成し計算を行う並列計算機を導入した(平成14年度).計算の結果,電子の蓄積過程を再現することはできたが,実験結果との比較検討を行ったところ,正の電荷蓄積が起こる点などで相違が生じた.この原因を調べた結果シミュレーションで過剰な電離反応が起こっていることがわかり,物理モデルの再検討が必要なことがわかった.
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