研究課題/領域番号 |
14206003
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)
|
研究分担者 |
熊丸 敏博 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00284555)
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30336325)
竹田 靖史 鹿児島大学, 農学部, 教授 (40041644)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
40,820千円 (直接経費: 31,400千円、間接経費: 9,420千円)
2005年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2004年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2003年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2002年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
|
キーワード | イネ / 胚乳澱粉 / 澱粉生合成酵素 / 成分育種 / 突然変異 / 遺伝子資源 / アミロペクチン / 澱粉枝切り酵素 / 化学変異原 / 枝作り酵素 / 澱粉ホスホリラーゼ / 可溶性澱粉合成酵素 / 胚乳デンプン / 胚乳特異的ホスホリラーゼ / 突然変異体 |
研究概要 |
(1)アミロペクチン分岐構造に関する変異の作製 MNU受精卵処理により新たに胚乳澱粉に関する変異1,243系統を選抜し、アミロペクチン生合成に関与する5種の澱粉合成酵素(SSSI〜SSSIV、GBSS)、3種の澱粉枝作り酵素(BEI、BEIIa及びBEIIb)並びに2種の澱粉枝切り酵素(ISA及びPUL)の全てに変異体を得た。さらに、澱粉ホスホリラーゼや基質であるADP-グルコースの合成に関与するAGPaseに関する変異体を単離できた。また、flo1変異は細胞質型PPDKの構造遺伝子変異であること、インド型品種IR36のSSSI活性の低下は、SSSI構造遺伝子変異に起因することが示唆された。 (2)変異の遺伝学的解析 上記変異がアミロペクチン生合成に関与する9種の酵素のそれぞれに関わる構造遺伝子変異であることが明らかとなった。一方、対立性検定により新たに20を超える遺伝子座を同定したが、これらは調節遺伝子系の変異であることが強く示唆された。 (3)変異澱粉の糖質化学的評価 BEIIb欠損変異(ae)はDP18以下のアミロペクチン短鎖(A鎖)を減少させ、DP19以上の長鎖を顕著に増加させる。本澱粉は糊化開始温度が10℃以上高く、8M尿素溶液中でも難糊化性を示した。一方、BEI欠損変異(sbe1)は、DP13〜24及びDP37以上の長鎖を特異的に減少させると共にDP12以下の短鎖を増加させ、糊化開始温度を5℃以上低下させる。これらの結果は、アミロペクチン分子構造の変化、特にDP12以下の短鎖(A鎖)の増加は澱粉の糊化開始温度の低下や膨潤度の増大、粘弾性の低下をもたらし、鎖長構造が澱粉の理化学特性を変更する主要な要因で有ることを示している。DBE変異及びSSS変異澱粉でも同様な傾向が認められた。これらの結果は、アミロペクチン変異が新奇澱粉特性の付与に必須であることを強く示唆している。
|