研究課題/領域番号 |
14206007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
蚕糸・昆虫利用学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 迪弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60111837)
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研究分担者 |
池田 素子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20262892)
新美 輝幸 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00293712)
河村 敏 岐阜県生物技術研究所, 専門研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
53,560千円 (直接経費: 41,200千円、間接経費: 12,360千円)
2005年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2004年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2003年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2002年度: 27,820千円 (直接経費: 21,400千円、間接経費: 6,420千円)
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キーワード | 核多角体病ウイルス / Ld652Y細胞 / アメリカシロヒトリ / マイマイガ / アポトーシス / 全たんぱく質合成停止 / 抗ウイルス応答 / バキュロウイルス / 組換えウイルス / gp64 / 培養細胞 / sf9細胞 / High Five細胞 / 昆虫 |
研究概要 |
核多角体病ウイルス(NPV)感染が誘導するアポトーシスは、細胞の抗ウイルス応答であり、NPVの宿主特異性を決定するための重要な要因であると考えられる。本研究では、マイマイガ由来のLd652Y細胞が、5種の異なる昆虫から分離されたNPV、すなわちカイコNPV、アメリカシロヒトリNPV(HycuNPV)、シロイチモジヨトウNPVおよびハスモンヨトウNPV感染によって、容易にアポトーシスを誘導することを見出した。アポトーシス様形態を示したこれらのNPV感染Ld652Y細胞において、実際にアポトーシスが誘導されていることは、細胞DNAの断片化、およびアポトーシスの実行に与るプロテアーゼであるcaspaseの活性上昇によって確認した。特に著しいアポトーシスを誘導したHycuNPV感染Ld652Y細胞におけるウイルス増殖様相を詳細に調べたところ、ウイルスDNAの複製は認められたが、出芽ウイルスとポリヘドリンの産生は認められなかった。また、HycuNPVがコードするアポトーシス抑制因子であるHycu-IAP3のLd652Y細胞における発現量は、アポトーシスを誘導しないHycuNPV感染SpIm細胞におけるそれと同程度であった。これらの結果より、NPV感染が誘導する抗ウイルス応答としてのアポトーシスは、一般にウイルスの特性よりも、細胞の特性に大きく依存していることを示唆した。また、caspaseの阻害剤であるzVAD-FMK処理により、HycuNPV感染が誘導するLd652Y細胞のアポトーシスは抑制されたが、Ld652Y細胞におけるHycuNPVの増殖は促進されなかった。このことから、Ld652Y細胞におけるHycuNPVの増殖は、アポトーシスとは異なる機構によって制限されていることを示唆した。
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