研究課題/領域番号 |
14206013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・応用有機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田原 哲士 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001475)
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研究分担者 |
吉原 照彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90002071)
橋床 泰之 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40281795)
福士 幸治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 講師 (60218906)
崎浜 靖子 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10344491)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
43,810千円 (直接経費: 33,700千円、間接経費: 10,110千円)
2004年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2003年度: 14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2002年度: 18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
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キーワード | ホウレンソウ根腐れ病菌 / 遊走子誘引物質 / 走化性 / 植物病原性卵菌 / 宿主特異的誘引物質 / シグナル伝達 / レセプター / 生活環展開制御 / 卵菌類 / G蛋白質共役型受容体 / Aphanomyces cochlioides / 形態変化 / 情報伝達物質 / 宿主認識化合物 / 拮抗性根面細菌 / xanthobaccin A / 菌糸分岐誘導 / 植物病原菌 / 遊走子 / ホウレンソウ / シグナルトランスダクション |
研究概要 |
1)ホウレンソウ根腐れ病菌の宿主特異的遊走子誘引物質cochliophilin Aに対するレセプターを特定するための、光アフィニティー部位とビオチン結合型のプローブを用いた実験で、遊走子の膜画分からプローブとの結合蛋白質として約40および70KDaの電気泳動バンドを検出した.フラボノイドに対する初めての特異的な受容体蛋白質である可能性が十分にある.これらの蛋白質を分離、アミノ酸配列を部分的に決定し、遺伝子を特定する方向性が定まった. 2)各種顕微鏡技術を駆使し、ホウレンソウ根腐れ病菌遊走子の細胞内情報伝達系の解析を試みた.微細形態の経時的変化の観察や細胞内成分の選択的蛍光染色法などを併用して、細胞内で生起する事象の可視化に努めた.その結果、nicotinamideによる被嚢化の初期の段階から遊走子再生への過程と被嚢胞子成熟への分岐が、繊維状アクチンの顕著な構造上の違いを伴うことを発見した.この過程は、根腐れ病菌の生活環展開のキーポイントと目されており、研究展開への重要な手懸かりになると思われる. 3)特異的な情報伝達物質あるいは情報伝達系をターゲットとした卵菌類の生物合理的な制御法の検討を行った.根腐れ病菌の宿主あるいは非宿主植物の根圏から分離した150種のバクテリアのうち約5%が根腐れ病菌の増殖菌糸に形態異常を惹起し、さらに、顕著な形態変化を誘起するものはサトウダイコンの根腐れ病発現を効果的に抑制することを見いだした.この方法論は土壌病原菌の微生物制御資材をスクリーニングする際に極めて有効なものであると提案した。 4)遊走子の挙動、形態変化を指標に生理活性物質の探索と作用様式の解明を試みた.ホウレンソウ根腐れ病菌の宿主特異的遊走子誘引物質cochliophilon Aは、アカザ科ホウレンソウ、サトウダイコン、シロザにのみ存在が知られていた.今回、罹病性のヒユ科ケイトウ(Celosia cristata)の芽生えにcochliophilon Aが存在することを、初めての発見した.ギンナン未熟果皮のアナカルド酸関連化合物やLannea coromandelicaの縮合タンニンが遊走子の遊泳を阻害し、細胞膜を破壊させる作用を見いだし、その作用特性を検討した.
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