研究課題
基盤研究(A)
アレルギー炎症は抗原によって誘発され、活性化した様々な免疫系細胞の産生するサイトカインによって増悪される。免疫レセプターの下流で機能するSLP-76ファミリーシグナル分子であるMISの発現誘導はプロモーターに存在するSTAT結合配列にサイトカイン受容体シグナルを伝達する転写因子であるSTAT5が結合することによっておこる。STAT5を活性化するサイトカインであるIL-3,IL-2,IL-15によってマスト細胞、NKおよびNKT細胞ではMISTの発現増強・誘導が認められる。免疫レセプター刺激によるこれら細胞の活性化におけるMISTの役割をについてMIST欠損マウスを用いて解析した結果、マスト細胞においては高親和性IgEレセプターを介した脱顆粒やサイトカイン産生を正に制御しており、同じファミリーのシグナル分子であるSLP-76と協調してマスト細胞の活性化に関与していた。NKT細胞においてもMISTはT細胞レセプター刺激によるIFN-γやIL-4の産生に必要なシグナル分子であることが判明した。一方、NK細胞の活性化においてはMISTは活性化型NK細胞レセプターのシグナル伝達をSrcファミリーキナーゼであるFgrと協調して抑制していた。すなわち、MISTはサイトカインによる免疫レセプターシグナルの調節に関与する分子であり、サイトカインによるアレルギー炎症の増悪に関与していることが強く示唆された。今後、MISTの機能阻害あるいは発現阻害をターゲットにした薬剤を開発することにより、アレルギー炎症の増悪を抑制することが可能になるものと期待される。
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