研究課題/領域番号 |
14207031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
有村 公良 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
梅原 藤雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20271140)
久保田 龍二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70336337)
出雲 周二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30143811)
宇宿 功市郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30281223)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
37,050千円 (直接経費: 28,500千円、間接経費: 8,550千円)
2004年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2003年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2002年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | HAM / HTLV-Iプロウイルス量 / 治療開発 / 発症予測 / 選択的MMP阻害剤 / 疾患感受性遺伝子 / 細胞傷害性Tリンパ球 / 予後判定 / dN / dS比 / 治療薬開発 / 高齢発症 / MMP / MMP阻害剤 / HTLM-Iプロウイルス量 |
研究概要 |
HAM発症にはHTLV-I感染細胞の脊髄浸潤が重要であり、この過程にはmatrix metalloproteinase (MMP)-2、-9が深く関与している。我々は、MMP-2、-9の選択的阻害剤であるN-Biphenyl sulfonyl -phenylalanine hydroxamic acid (BPHA)がHAM患者由来CD4陽性T細胞のmigrationを有意に阻止することを示し、HAMの治療薬として期待できることを示した。我々は宿主遺伝子の多型解析、ウイルスのサブタイプ、ウイルス量、およびHLAを検討し多くの疾患感受性因子を同定してきたが、さらにインターロイキン10プロモーターの遺伝子多型と、MMP-9プロモーターのタンデムリピート長がHAM発症に関与していることを明らかにした。疾患感受性因子を用いたHAM発症リスク式を作成し、無症候性キャリアのHAM発症オッズ値と臨床症状を検討し、下肢腱反射亢進と腹壁反射消失との相関を認めHAMの発症予測に有用であることを示した。HTLV-I Tax全塩基配列より非同義置換(dN)/同義置換(dS)比を計算し、HAM患者はキャリアに比べてdN/dS比が低く、ウイルスの複製が抑制されていること、HLA-A02陽性HAM患者ではdN/dS比が陰性HAM患者より低く、ウイルスの複製が抑制されていること、HLA-A02陽性キャリアではdN/dS比が陰性キャリアより高く、ウイルスの複製が活発に行なわれていることが示唆された。また、dN/dS比の解析より生体内では細胞傷害性Tリンパ球による抗ウイルスの選択圧がかかっているにもかかわらず、変異ウイルスの免疫学的逸脱は認めなかった。本研究により、さらに詳細なHAMの発症機序および発症危険因子が明らかになり、またBPHAを用いたHAM治療の可能性が示された。
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