研究課題/領域番号 |
14207033
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊岡 照彦 東京大学, 保健センター, 教授 (00146151)
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研究分担者 |
倉地 幸徳 産業技術総合研究所, 年齢軸生命工学研究センター, センター長(研究職) (70344223)
小澤 敬也 自治医科大学, 遺伝子治療部, 教授 (30137707)
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
上原 誉志夫 東京大学, 保健センター, 助教授 (40184965)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
50,050千円 (直接経費: 38,500千円、間接経費: 11,550千円)
2004年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2003年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2002年度: 24,960千円 (直接経費: 19,200千円、間接経費: 5,760千円)
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キーワード | 心不全 / 遺伝子治療 / 前臨床試験 / 細胞膜の透過性 / ジストロフィン / 拡張型心筋症 / サルゴグリカン / 細胞移植 / rAAVベクター |
研究概要 |
当初の3大目標、(1)大型動物におけるヒト型重症心不全の作製と、重症化機構の解明、(2)その遺伝子治療の安全性と有効性の確認、および(3)再生医療の開発で以下に示すように、かなりの成果が得られた。筆者らは自然発症、先天性DCMがDAPの中のδ-sarcoglycanの遺伝子変異による事を同定した(Sakamoto et al., PNAS,1997)。次に筆者らが小型の動物モデルで長期間安定して遺伝子発現が可能なrAAVベクターを用いて遺伝子治療に成功した(Kawada et al.,PNAS,2002)。rAAVは他のウイルスベクターと異なり、安全・無害であった。これを発展させ、最終的に臨床応用を目指してサルの動物実験の為に大臣許可に研究期間の半分を費やした。得られた「ジストロフィンが崩壊して細胞膜の透過性の亢進により、先天性、後天性、急性、慢性を問わず、最終的に心不全に至る」プロセスはヒトDCMも含む心不全に共通した現象で、貴重なデータとなった(Toyo-oka et al., PNAS,2004)。こうしたデータをヒトから得ることは倫理的に難しく、サルにより初めて示すことができた。今回の研究成果は臨床応用の実現に向けて、確実に前進すると予想する。今後とも積極的な御支援と御協力を賜りたい。 また遺伝子治療は心不全の発症前には有効であるが、心筋変性が著しい場合は十分な効果が得難い。その対策として筆者らは正常ハムスターの大腿4頭筋からmyoblastを分離し・増殖させ、開胸手術下にDCMハムスターの左室壁に移植して、分化・増殖可能な事を報告した。特に、まばらに播種した方が介在板も形成され、生着率が良いが、多量のmyoblastが共存すれば、むしろapoptosisを示した。その理由は骨格筋の酸素需要は心筋より遥かに多く、冠動脈から酸素の供給不足が一因と考えている。またマウス脂肪幹細胞から分化・増殖させ心筋細胞を発現させることに成功した。なお脂肪幹細胞は心筋組織以外に、骨組織や血管内皮細胞にも変わることから今後、多くの組織再生に応用が期待される。
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