研究課題/領域番号 |
14207041
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内山 卓 京都大学, 医学研究科, 教授 (80151900)
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研究分担者 |
堀 利行 京都大学, 医学研究科, 講師 (70243102)
門脇 則光 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324620)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
50,310千円 (直接経費: 38,700千円、間接経費: 11,610千円)
2003年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2002年度: 39,520千円 (直接経費: 30,400千円、間接経費: 9,120千円)
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キーワード | 自然免疫 / ONO-4007 / OX40 / OX40 ligand / 腫瘍ワクチン / 抗腫瘍免疫 / アジュバンド / OX40 リガンド / 樹状細胞 / OX40 ligand(gp34) / ドラッグデリバリーシステム |
研究概要 |
本研究では、自然免疫系の活性化とOX40/OX40L系を利用して造血器腫瘍に対して有効な免疫療法の開発を目指し以下の実験を行った。 LPS誘導体であるONO-4007を、腫瘍巣に集積しやすいPEG-リポソームに封入した。これを、マウスリンパ腫細胞株EL4を皮内接種し腫瘍径が約1cmになった担癌マウスに静注すると、24時間後には腫瘍巣に好中球の浸潤がみられ、3日後には壊死を起こした。ただし、PEG-リポソームに封入せずにONO-4007を静注した場合も同様の炎症反応が認められ、PEG-リポソームへの封入による腫瘍選択性は認めなかった。5例の急性骨髄性白血病(AML)患者より分離した新鮮白血病細胞をSCF、FLT-3L、GM-CSFとTNF-α存在下に7日間培養して樹状細胞(DC)様細胞に分化させながら、レトロウイルスベクターを用いてOX40Lを形質導入した。これらの細胞の抗原提示細胞としての活性をアロCD4^+T細胞増殖とIFN-γ産生刺激によって比較検討したところ、全例でOX40L導入白血病細胞由来DCが、新鮮白血病細胞、サイトカイン添加のみの白血病由来DC、およびmockベクター導入DCに比べて強い活性を示した。また、AMLの1例で行ったHLA一致ドナーのT細胞を用いた増殖刺激実験でも同様の結果が得られた。EL4にマウスOX40Lをトランスフェクトして安定発現株EL4-OX40Lおよびそのmockコントロール株EL4-mockを作成した。親株とこれらのトランスフェクタント株をC57/B6マウスの皮下に1x10^5接種し、造腫瘍性を比較したところ、親株およびEL4-mockではすべてのマウスで早期に腫瘍の生着が認められたのに対して、EL4-OX40Lでは、腫瘍の増殖が遅延し、一部のマウスでは全く生着しなかった。また、EL4-OX40Lを接種したマウスの脾細胞中にEL4-OX40Lだけでなく、親株に対する特異的な細胞傷害活性が認められた。 以上の結果から、ONO-4007は抗腫瘍免疫のエフェクター作用を増幅する活性を有すること、そして、OX40Lワクチンによって造血器腫瘍に対する特異的免疫応答を誘導しうることが明らかになった。
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