研究課題/領域番号 |
14207053
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々木 富男 九州大学, 医学研究院, 教授 (10134561)
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研究分担者 |
横山 信彦 九州大学, 病院・講師 (50294939)
宮城 靖 九州大学, 病院・助手 (10380403)
斉藤 延人 群馬大学, 医学部, 教授 (60262002)
登坂 雅彦 群馬大学, 医学部, 助手 (40323357)
名取 良弘 九州大学, 医学研究院, 講師 (00264036)
佐山 徹郎 九州大学, 医学研究院, 助手 (30346788)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
26,650千円 (直接経費: 20,500千円、間接経費: 6,150千円)
2004年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2003年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2002年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 血管平滑筋 / トロンビン / トロンビン受容体 / Ca^<2+>感受性 / 酸化ストレス / Rho / Rho-kinase / クモ膜下出血 / ミオシン軽鎖 / subarachnoid hemorrhage / cerebral vasospasm / Rho kinase / myosin light chain kinase / Ca^<2+> sensitization / rabbit |
研究概要 |
我々は,まずウサギクモ膜下出血モデルを用いて、Rho/Rho-kinase経路を活性化させる物質であるトロンビンについて研究した。クモ膜下出血状態ではトロンビン受容体の発現が異常亢進し、トロンビンによる過剰収縮反応が引き起こされることを世界で初めて明らかにし、さらにトロンビン受容体の脱感作の障害もその過剰収縮反応に関与していることを証明した。次に、Rho/Rho-kinase経路の活性化、つまりCa^<2+>感受性亢進による脳血管平滑筋の収縮機序を、ウシ中大脳動脈を用いて研究した。脳血管攣縮の原因物質の一つと考えられているトロンボキサンA_2は、収縮蛋白のCa^<2+>感受性の亢進を伴う持続収縮を引き起こした。このCa^<2+>感受性の亢進機序としてMLCリン酸化に依存した機序と、MLCリン酸化に依存しない機序が存在した。つまり脳血管攣縮におけるRho-kinaseの活性化は、MLCリン酸化依存性および非依存性収縮を引き起こしている可能性を示唆するものである。そして、Rho-kinase阻害剤はこれら2つの機序をどちらも抑制した。さらに、ウシ中大脳動脈に酸化ストレスを負荷すると、血管平滑筋にブラジキニン受容体が強制発現され、Rho/Rho-kinase経路を介した収縮が発生すること,また酸化ストレスが血管の内皮依存性弛緩反応を消失させることを明らかにした。このことから酸化ストレスが脳血管攣縮の発生過程に強く関与していることが改めて示唆された。以上のように、我々はRho/Rho-kinase経路の活性化が様々な形で脳血管攣縮の病態のメカニズムに重要な役割を果たしていることを示した。特に、トロンビン受容体は今後の脳血管攣縮の新たな治療標的になりうることがわかった。
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