研究課題/領域番号 |
14207057
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩本 幸英 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00213322)
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研究分担者 |
小田 義直 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (70291515)
田仲 和宏 (田中 和宏) 九州大学, 大学病院, 助手 (10274458)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
51,350千円 (直接経費: 39,500千円、間接経費: 11,850千円)
2005年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2004年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2003年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
2002年度: 21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
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キーワード | Ewing肉腫 / EWS-Fli1 / 融合遺伝子 / 細胞周期 / 分子標的 / p27 / p21 / cyclin E / EWS-Flil / アポトーシス |
研究概要 |
Ewing肉腫(ES)は悪性骨軟部腫瘍の中で最も生命予後不良な腫瘍の一つである。ES症例の90%以上で染色体転座t(11:22)(q24;q12)の結果、異常な融合遺伝子EWS-Fli1が生じている。この融合遺伝子産物は強力な転写因子として働き、ESの発がん原因と考えられている。これまでに我々は、EWS-Fli1が癌抑制遺伝子Rbに関係した細胞周期制御因子(p27,p21,cyclin E)を標的とし、Rb経路を阻害することがES発がんに深く関与していることを明らかにした。一方、p53経路についてはほとんど明らかにされていないため、EWS-Fli1によってp53の機能、特にアポトーシスの誘導がどのように抑制されているかを解明する目的で研究を行った。その結果、EWS-Fli1とp53は直接結合しており、p53正常ES細胞においてもp53の機能抑制が生じていた。EWS-Fli1によってp53の下流のエフェクター分子の発現がどのように変化するかを調べた結果、アポトーシス関連遺伝子の発現変化は認められなかったが、p21の発現が抑制されていた。p21の発現抑制は、p53の機能抑制の他、プロモーターレベルでのピストン脱アセチル化が関与していた。そのためピストン脱アセチル化酵素阻害剤がESに有効と考えられ、実際にin vitro及びin vivoにおいても腫瘍増殖抑制効果が認められた。しかし多剤耐性ES細胞には無効の場合もあり、臨床応用には十分な検討が必要と考えられた。次に、EWS-Fli1の切断点部分を含むsiRNAを合成し、EWS-Fli1発現をノックダウンした場合にES細胞がアポトーシスに陥るかを調べたところ、p27発現が著明に誘導され細胞周期が停止したが、ES細胞にアポトーシスは誘導されず、細胞老化(senescence)が誘導されることが判明した。従って、EWS-Fli1によるES発がん機構として、細胞老化の回避があると推察された。これはこれまでに報告されていないEWS-Fli1の機能であり、ES発がん機構の解明と分子標的治療の開発研究に新しい視点を与えるものである。
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