研究課題/領域番号 |
14207068
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 教授 (90176339)
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研究分担者 |
辻 純 京都大学, 医学研究科, 講師 (30252448)
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
49,400千円 (直接経費: 38,000千円、間接経費: 11,400千円)
2004年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2003年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
2002年度: 17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
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キーワード | 感音難聴 / 内耳 / 再生 / 内耳有毛細胞 / ラセン神経節細細胞 / 移植 / 幹細胞 / 神経栄養因子 / 高度感音難聴 / ラセン神経節細胞 / 内耳感覚細胞 / 機能回復 / 神経幹細胞 / 聴神経 |
研究概要 |
本研究の目標は、聾者を含めた高度感音難聴者の聴覚の回復にある。感音難聴の原因は様々であるが、病態としては、大部分が内耳の感覚細胞(有毛細胞)、有毛細胞から情報を中枢(脳)に伝達するラセン神経節細胞の障害である。有毛細胞およびラセン神経節細胞の再生が可能となれば、一度喪失した聴覚の再獲得も可能と思われる。 平成14年度は動物(主にラットやマウス)を用い、障害を受けた聴覚中枢が自然再生することがありうるかどうか検討した。その結果、中枢聴覚路は動物が幼若であれば再生する場合もあることが判明した。成動物では障害部位に胎仔の一部を移植する事により、一部再生が認められた。 平成15年度は障害を受けた内耳感覚細胞が自然再生するかを検討した。内耳(蝸牛、前庭)を取り出し、器官培養系で培養した。その結果、内耳の感覚細胞は前庭器では自然に再生することもあり、また機能も回復する可能性があることが示された。内耳に幹細胞を移植すると、またその多くは神経栄養因子を放出することが判明した。この結果から、内耳への神経幹細胞移植は内耳感覚細胞の保護に役立つことが示された。 平成16年度は器官培養した蝸牛感覚上皮、前庭感覚上皮に内耳前駆細胞を移植し、内耳有毛細胞に分化しうるかを検討した。その結果、内耳前駆細胞は有毛細胞へ分化しうることが分かった。また、共培養した内耳前駆細胞と胚性幹細胞はシナプス結合を形成し、電気生理学的にも信号の伝達を起こしていることが判明した。 これら結果より、障害を受けた内耳有毛細胞が内耳前駆細胞の移植により再生しうることが判明した。また、ラセン神経節細胞を胚性幹細胞で再生させると、これらの細胞は内耳感覚上皮からの信号を中枢に伝達しうる可能性を示した。この結果は高度感音難聴の治療として、細胞移植方法を使用する可能性を示唆するものである。
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