配分額 *注記 |
44,070千円 (直接経費: 33,900千円、間接経費: 10,170千円)
2005年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2004年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2003年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2002年度: 24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
|
研究概要 |
今回の研究では以下に示す研究を行い,これらの研究成果は,角膜上皮-実質複合体をin vitroで形成するための基本的な精報を提供すると考えられる。 1)サイトカインによる細胞増殖,細胞死および細胞間結合の制御。角膜上皮ではHGF, IGF-1, IGF-2,およびEGFが増殖の促進,Aktのリン酸化を誘導およびapoptosisを阻害した。TGF-β1およびTGF-β2は,増殖を抑制したが,Aktのリン酸化やapoptosisに対しては影響を及ぼさなかった。角膜実質細胞では,PDGF, Insulin, IGF4,IGF-2およびEGFにより細胞増殖能の促進,Aktの活性化亢進およびアポトーシスの抑制効果が認められた。Basic FGF, KGF, NGFおよびHGFにより細胞増殖能のみ促進した。炎症性サイトカインであるTNF-α,Th2サイトカインのうち,IL-4およびIL-13は角膜上皮細胞のバリアー機能を低下させた。また,角膜実質細胞においてTNF-αによりギャッフ結合の機能が抑制された。 2)フィプロネクチンをコーティングして培養した角膜上皮細胞はRhoの活性化が,ラミニン上ではRacの活性化が促進していることを明らかにした。 3)角膜実質細胞のIL-1によるコラーゲン分解の促進は,転写因子であるNF-κBおよびAP-1の活性化を介し,デキサメサゾンやトリプトライドの添加により抑制された。 4)角膜実質細胞をI型コラーゲンに加えて種々の細胞外マトリックスやグリコサミノグリカンを添加してゲルを形成して,その収縮作用を検討した。これらの細胞外マトリックスのうち,フィプロネクチンのみが角膜実質細胞のストレスファイバーの形成を促進し,細胞形状を伸展させ,ゲル収縮を促進した。 5)マルチガスインキュベーターを用いて異なる酸素濃度(1%,21%および60%)の環境での角膜上皮-実質器官培養系の機能におよぼす影響について検討した。高酸素状態は角膜上皮の創傷治癒を促進した。低酸素(1%)暴露により角膜上皮細胞のZO-1蛋白の発現およびバリアー機能は低下した。角膜上皮細胞は,1%および21%酸素濃度で細胞増殖が認められたが,60%酸素では増殖が抑制された。角膜実質細胞は,21%酸素濃度に比べ1%および60%酸素での培養で増殖が抑制された。
|