研究分担者 |
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
清野 和夫 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90048546)
田中 貴信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60014271)
石上 友彦 日本大学, 歯学部, 教授 (70191872)
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90186669)
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
藤井 弘之 長崎大学, 大学院・医歯薬学統合研究科, 教授 (20067060)
|
配分額 *注記 |
46,150千円 (直接経費: 35,500千円、間接経費: 10,650千円)
2004年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2003年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2002年度: 27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
|
研究概要 |
I.目的 本研究では,多数の研究・診療施設で同一の方法によって測定される咀嚼機能評価パラメータが普遍的,客観的であるか否かを検討するとともに,下顎顎堤吸収の程度から無歯顎患者の咀嚼機能を予測する試みを行った. II.方法 国内7施設における補綴科外来の全部床義歯装着者262名を被験者として,咀嚼機能と下顎顎堤の形態を評価した.各被験者について,篩分法(5mesh通過量)^<1)>による咀嚼効率,摂取可能食品アンケート法^<1)>による咀嚼スコア,プレスケールを用いる最大咬合力,義歯支持基盤レプリカ法^<2)>による下顎義歯支持基盤面積,体積,高さを測定した. III.結果と考察 全被験者の平均年齢およびその標準偏差は76.7±6.1歳であり,各施設間における被験者の平均年齢に有意差は認められなかった(p>0.05).また,全被験者の男女構成は男性144名(平均年齢77.1±6.7),女性150名(平均年齢76.3±5.4)であり,性別による被験者の平均年齢に有意差は認められなかった(p>0.05). 全被験者の咀嚼効率および咀嚼スコアの平均値とその標準偏差はそれぞれ43.4±15.1%,64.7±21.6であり,各施設間における咀嚼効率および咀嚼スコアの平均値に有意差は認められなかった(p>0.05).また,男性のそれらは43.9±15.1%,64.5±22.8,女性のそれらは42.9±15.0%,64.9±20.2であり,性別による被験者の咀嚼効率に有意差は認められなかった(p>0.05). 咀嚼効率と咀嚼スコアとの相関係数は0.61であり,有意な相関が認められた(p<0.01). 咀嚼効率と下顎義歯支持基盤面積,体積,高さとの間に有意な相関が認められた(p<0.01). 以上の結果から,咀嚼効率と咀嚼スコアに普遍性,客観性があること,各々の平均値が臨床での評価における基準値となり得ること,また咀嚼機能を患者固有の下顎無歯顎顎堤形態から推測できることが示された.
|