研究課題/領域番号 |
14207100
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
青木 康展 独立行政法人国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 室長 (20159297)
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研究分担者 |
松本 理 独立行政法人国立環境研究所, 化学物質環境リスク研究センター, 主任研究員 (60132867)
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
能美 健彦 国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 室長 (30150890)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
50,050千円 (直接経費: 38,500千円、間接経費: 11,550千円)
2004年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
2003年度: 19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2002年度: 20,800千円 (直接経費: 16,000千円、間接経費: 4,800千円)
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キーワード | 変異原物質 / gpt deltaマウス / ディーゼル排気 / Nrf2 / ベンゾ[a]ピレン / ニトロピレン / 遺伝子導入マウス / 体内突然変異 / 変異原物質検出 / Nrf2ノックアウトマウス / benzo[a]pyrene / 変異物質検出 / 1,6-ジニトロピレン / Benzo(a)pyrene |
研究概要 |
転写因子Nrf2は第2相薬物代謝酵素と抗酸化酵素の誘導に必須であり、変異原物資などの生体異物に対する防御システムに関与している。我々はNrf2欠損状態で突然変異体頻度がどの程度上昇するかを明らかにしようとした。我々は体内突然変異を検出するモデル動物としてgpt deltaマウスを用い、肺中で変異原物質により発生する突然変異の性質を調べた。gpt deltaマウスの気管内に大気中の代表的な変異原物質であるベンゾ[a]ピレン(B[a]P)と1,6-ジニトロピレン(1.6-DNP)をgpt deltaマウスの気管内に投与した結果、投与量に依存して突然変異体頻度は上昇した。1,6-DNPが体内で示す単位重量あたりの突然変異体頻度は31x10^<-5>/mgでB[a]P (1.7x10^<-5>/mg)より高かった。B[a]Pと1,6-DNPによる主要な塩基置換は、それぞれG>TおよびG>Aであり、gpt遺伝子上の突然変異ホットスポットの位置も異なっていた。ディーゼル排気暴露を3mg/m^3の濃度で曝露した結果、対照群の肺中の突然変異体頻度が0.6±0.1x10^<-5>であるのに対して、曝露群では12週間まで突然変異体頻度は直線的に増加した。また、ディーゼル粒子とその抽出物を気管内投与した結果、ディーゼル粒子の変異原性のほとんどが抽出物に由来することが判った。ディーゼル排気曝露とディーゼル粒子による主要な塩基置換はG>Aであり、ホットスポットも1,6-DNPとよく一致したことから、ディーゼル排気の主要な変異原物質はニトロピレンおよびその類似物質であることが示唆された。Nrf2欠損gpt deltaマウスを作製し、Nrf2(+/-)およびNrf2(-/-)マウスの肺にベンゾ[a]ピレン(B[a]P)を気管内投与したところ、Nrf2(-/-)のマウス肺の突然変異体頻度は、Nrf2(+/-)のマウス肺の突然変異体頻度はNrf2(+/-)マウスの2倍に増加した。
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