研究課題/領域番号 |
14208013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
肥塚 隆保 (2003-2004) 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室長 (10099955)
沢田 正昭 (2002) 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, センター長 (20000490)
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研究分担者 |
村上 隆 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (00192774)
高妻 洋成 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・埋蔵文化財センター, 主任研究官 (80234699)
深澤 芳樹 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・平城宮跡発掘調査部, 考古第3調査室長 (40156740)
降幡 順子 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室研究員 (60372182)
山崎 隆之 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60015279)
肥塚 隆保 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 保存修復科学研究室長 (10099955)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
31,720千円 (直接経費: 24,400千円、間接経費: 7,320千円)
2004年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2003年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2002年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | 塑像 / 壁画 / 材質 / 構造 / 環境 / 保存修復 / 劣化 / 石窟 |
研究概要 |
本研究は古代塑像・壁画の美術史的な調査と材料科学的な調査を日中共同でおこない、古代塑像・壁画の材料と製作技法や、年代、保存修復技術の開発などを総合的に研究することを目的としている。以下に研究成果の概要を述べる。 中国および日本における塑像・壁画に対して、実用化した携帯型分析装置およびその他分析装置、環境測定機器を用いた調査を実施した。クムトラ千仏洞における現地調査では、壁画顔料分析、窟内外の温湿度、崖表面温度分布、紫外線量などの調査をおこない、壁画に用いられた顔料を明らかにするとともに、窟ならびに壁画の保存修復に関する重要な情報を得た。中国内モンゴル自治区における大召壁画および美岱召壁画の調査では、壁画の材料および製作技法についての有用な情報を得るとともに、劣化状態および保存環境についての知見を得ることができた。特に、彩色に際して、混色による表現が多用されていることが明らかとなった。美岱召では、壁画製作時に彩色の指定をしたと考えられる墨書の痕跡を新たに発見することができた。また、X線CT法およびX線CR法による壁画壁体の層構造の解明などの成果をあげることができた。梶山古墳における壁画の調査では、415nmの可視光により壁画を明瞭に観察できること、壁画顔料は赤鉄鉱と思われる微粒子が混在した土状のもので描かれていることなどが明らかとなった。 中国共同研究者の招聘および日本側研究者の訪中をおこない、保存科学研究集会(奈良文化財研究所主催)における研究発表・討論、わが国の装飾古墳壁画の保存状態などの現地調査、フフホト市における日中共同研究発表会を開催し、日中における壁画・塑像の分析調査と保存修復に関する問題点の共有とその解決法に関する有意義な討論をおこなうことができた。
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