研究課題
基盤研究(A)
本研究では、ローカル・アベイラビリティを最重要視して、「非常に安価、世界中で入手可能、軽くて運搬しやすい、丈夫で劣化しない、加工が簡単」な材料であるポリプロピレンの荷造り紐(通称:PPバンド)を用いた簡単な工法で、耐震性の低い組積造を耐震補強する工法を開発した。具体的には、以下で説明するような一連の実験を行うとともに、それらの結果を用いてキャリブレーションした数値解析法を提案した。本研究で実施した破壊実験は、材料実験としてはレンガとアドベ(日干しレンガ)を粘土やモルタルを目地材として積み上げた組積の圧縮、引っ張り、せん断試験、提案する耐震補強法(PPバンドで作成したメッシュで壁を内側と外側から挟み込み、両側のメッシュを壁を貫く針金などで連結する簡単な方法)で補強したレンガとアドベの壁モデルの画内せん断試験と面外曲げ試験、同様に補強、非補強のレンガ壁の静的単調載荷ならびに静的交番載荷実験、1/4スケールのレンガとアドベの3次元建物モデルを用いた振動台による動的破壊試験である。また組積造の完全崩壊挙動の定量的解析を目的に、上記のような実験結果を用いた材料特性モデルの改良とキャリブレーションを行った組積対応版応用要素法(AEM)を開発した。なお、本研究で提案した補強法は、途上国の一般的住宅1棟を補強するコストが数千円から1万円程度であることから「100ドル耐震補強」として有名になり、内外のマスコミで取り上げられた。また2005年1月神戸市で開催された世界防災会議で発表された世界の防災に貢献するわが国を代表する防災技術として、文部科学省がまとめた「防災技術リスト」に取り上げられるとともに、会議の最後に政府全体会合ステートメントとして日本政府代表(総理大臣代理:江渡内開府政務官)によって行われたスピーチの中で唯一取り上げられた。
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Proceedings of the Third International Symposium on New Technologies for Urban Safety of Mega Cities in Asia
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Proceedings of the Third International Symposium on New Technologies for Urban Safety of Mega Cities in Asia, Singapore
Proceedings of Third International Symposium on New Technologies for Urban safety of Mega Cities in Asia, Singapore
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Proc. of 13th World Conference on Earthquake Engineering
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