配分額 *注記 |
51,220千円 (直接経費: 39,400千円、間接経費: 11,820千円)
2004年度: 13,260千円 (直接経費: 10,200千円、間接経費: 3,060千円)
2003年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2002年度: 22,230千円 (直接経費: 17,100千円、間接経費: 5,130千円)
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研究概要 |
本研究では,光回復酵素などのDNA修復酵素と密接な関係にあるタンパク質の結晶構造を決定し,その構造と機能の関係を解明することを目的とする.補欠因子にフラビンを利用する青色光受容体の一種であるクリプトクロム(CRY)は,光回復酵素と高い相同性を持つもののDNA修復活性は持たず,動物の体内時計を制御する因子として働く酵素である.この酵素は光受容体の補因子としてFADと第二クロモフォアを持つ特徴がある.ショウジョウバエおよびイネ由来のCRYを対象に,その結晶構造解析を最終目標にして,発現系の構築,組換えタンパク質の精製を行い,タンパク質としての性質を調べた.また,Class II光回復酵素に分類されるラットカンガルー由来の光回復酵素,好熱性古細菌Sulfolobus tokodaii由来の光回復酵素についても,発現系の構築,組換えタンパク質の精製を行った.いずれもX線構造解析のための結晶化に供して結晶化条件を検討した.これらのうち,S.tokodai由来の光回復酵素については,古細菌由来の光回復酵素として初めてその構造解析に成功した.この光回復酵素では,集光性補欠因子として,触媒補欠因子と同じ化学種であるFADが結合していることがわかった.また,シアノバクテリアAnacyctis nidulans由来光回復酵素のアポタンパク質(集光補欠因子8-HDFが欠如)の結晶構造を決定して,触媒補欠因子FADの還元に対する構造変化の影響を調べた.さらに,CRYと同様に補欠因子にフラビンを利用する青色光受容体の一つであるBLUFドメインタンパク質(好熱性シアノバクテリア由来)の結晶構造解析に成功した.得られたBLUFドメインの構造に基づいて,Tyr8およびフラビンとネットワークを作る構造・機能的に重要なGln50の役割について議論した.
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