配分額 *注記 |
27,560千円 (直接経費: 21,200千円、間接経費: 6,360千円)
2004年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2003年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2002年度: 15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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研究概要 |
本研究は,無拘束(携帯型)循環動態連続計測・自律神経活動解析システムの開発に関する発展的研究であり,計測原理として,血圧計測に容積補償法,心拍出量計測に電気的アドミタンス(インピーダンス)法を用い,非侵襲的に一心拍毎の血圧・心拍出量を含む循環動態計測が可能となるシステム開発を目指したものである.また,これら循環動態情報は,自律神経系の支配を受けているため,時系列あるいは時間周波数解析を行うことで,自律神経活動の評価・解析も可能となる統合システムを目指して研究開発が行われた. しかし,連続血圧計測において,血管壁の物理特性や組織内血液量などが計測中に大きく変化する際に誤差を生ずることや,心拍出量計測において,血液量変化が実際には,肺循環などでも起きているが,大動脈のみで起きていると仮定しているため,相対変化としての追従性は良いが,絶対値としての信頼性が低いことが判明している.本研究では,これら誤差要因を解明し,さらなる用途拡大を目指すこととした. 心拍出量計測においては,胸郭体表面等電位分布計測システム(胸郭全体計測に対しては32点(8×4)×2(胸部前・背面)および胸部前面正中近傍計測に対しては,24点(4×6)のスポット電極で構成される胸部インピーダンスマッピングシステム)を開発した.本システムを用い,電極周囲で電流集中が発生せず,姿勢変化の影響を受けにくい電極配置として,電流通電電極については,一方の電極を頭部の耳の後ろ付近,他方を下腹部(腰骨付近)とすること,また,検出電極については,肺循環などの影響を受けにくい鎖骨中央と剣状突起間に電極を配置することの妥当性が確認された.これらの結果より電極のスポット電極化ならびに,計測精度も向上することも確認された. 血圧計測においては,容積補償法の制御目標値に追従することを主眼においた制御法の開発,および鬱血を回避可能な局所加圧法の開発を通し,血圧曲線は直接法と比較して計測精度の向上が確認された. 自律神経活動評価においては,平均血圧値と心拍出量から得られる総末梢循環抵抗などを用いることで,心電図解析では得られない交感神経系単独の活動を評価することが可能となった. 本研究を通し,プロトタイプシステムの開発に成功し,今後さらにシステムの実用化開発と,特に生体ストレス評価に本システムを適用した応用研究を展開していく予定である.
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