研究課題/領域番号 |
14208107
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大串 始 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ長 (80213669)
|
研究分担者 |
伊藤 敦夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (30356480)
児玉 亮 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (70344447)
金村 米薄 (金村 米博) 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員 (80344175)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
54,210千円 (直接経費: 41,700千円、間接経費: 12,510千円)
2004年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2003年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2002年度: 45,890千円 (直接経費: 35,300千円、間接経費: 10,590千円)
|
キーワード | 骨髄 / 骨形成 / セラミックス / 神経再生 / 肝再生 / Hepatocyte / Neuron |
研究概要 |
本計画は3カ年である。当初の2年においては、完全連通孔高強度アパタイト多孔体のみならず種々のセラミックの研究を動物のみならずヒトの骨髄細胞をもちいて、骨髄から間葉系幹細胞の増殖研究をおこない、種々のセラミック上での増殖を可能にした。また、この培養増殖された幹細胞はヒト細胞を用いても骨芽細胞あるいは軟骨細胞へ分化することが判明した。さらに、これらの結果をふまえ、クリーンな環境下での患者骨髄細胞を培養できうる施設を構築して、患者自身の培養間葉系細胞ならびに培養骨の臨床応用も開始できた。 肝細胞、神経細胞の研究は最後の年に精力的におこなった。ラット骨髄から増殖できた間葉系細胞をHepatocyte Growth Factor : HGFの存在の下に培養をおこない、総RNAを抽出してRT-PCRをおこないおこなったところ、albumin, c-metやCK18,19の発現を確認できた。すなわち、このラット由来の間葉系細胞はin vitroで肝細胞へ分化しえる細胞であることが確認できた。また、ヒト間葉系細胞の培養をおこない、各種細胞表面抗原の解析をおこなったところ、CD34,45は陰性であり、SH2,3やALPならびにstro-1抗原が陽性の細胞集団が効率よく増殖できうることを見いだした。すなわち、ヒト骨髄細胞の培養により間葉系細胞としての細胞適格性を有する細胞が数多く増殖できることを確認した。このヒト間葉系細胞をメルカプトエタノール存在下で培養したところ、Nestin mRNAを発現していた。さらに、培養を続けることにより、形態は神経細胞様突起を有する細胞集団が増殖し、さらにこれらの細胞は免疫染色すると抗b-IIITubulinに陽性であった。 これらの結果より、骨髄からえられる接着性の細胞は間葉系幹細胞としての性質を有し、さらに肝細胞や神経細胞になりうる結果を示した。本研究により、骨髄間葉系幹細胞と完全連通孔高強度アパタイト多孔体を用いた骨再生のみならず、この肝細胞は肝疾患や神経疾患にも用いられる可能性をしめした。
|