研究分担者 |
山岡 亮平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00111948)
岩崎 雅行 福岡大学, 理学部, 助手 (60151726)
原 健二 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80293968)
尾崎 まみこ 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00314302)
小野 正人 玉川大学, 農学部, 助教授 (70204253)
吉田 忠晴 玉川大学, 学術研究所, 教授 (80138601)
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配分額 *注記 |
41,470千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 9,570千円)
2004年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2003年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2002年度: 21,710千円 (直接経費: 16,700千円、間接経費: 5,010千円)
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研究概要 |
真社会性のミツバチとアリで,コロニー維持に欠かせない巣仲間と非巣仲間の識別メカニズムについて総合的に解析した. 1.クロオオアリの羽化成虫の巣仲間識別学習能力には個体差があり,脳のグリア細胞の分裂が未完の個体で学習ができない傾向を認めた.そこでこの個体差が、脳基盤の完成度に起因すると考え,諸種感覚情報の統合や学習に関わるキノコ体の発育,変態に伴う発生過程について詳細に解析,ミツバチ同様に,アリでもケニオン細胞ニューロブラスとの対称分裂が前蛹末期まで続き,13万個といわれる細胞数を確保できることを明らかにした.社会脳の機能構築に関わる候補としてのエクジソンシグナルの役割についても解析が進んでいる(原). 2.同じくクロオオアリで,識別の拠りどころとなるキー情報が炭化水素の組成であることを明らかにし,その検出器となる化学感覚子の構造と機能について詳細な解析を進めた.電子顕微鏡観察とチップレコーディングから,異巣のアリの炭化水素組成にのみ激しく応答する特異な炭化水素感受性感覚子を同定し,機能とともにScience誌上で発表した.このコード化された情報を運ぶキャリアータンパク質の構造,機能の解析も進んでいる(尾崎・岩崎・山岡). 3.一方ミツバチでは,識別の拠りどころとなる化学物質は,環境臭を含むもっとひろいレンジにわたるものであったが,中でも重要なのは脂肪酸であることが明らかになった.これらの識別・学習能力について吻伸展反射連合学習系を用いて解析した.触角からの入力情報と照合して巣仲間か非巣仲間かを判断する脳内のテンプレートが,常時書き換えながら使っている可塑性の高いものであることなどを明らかにした(佐々木,中村,吉田). 4.チャイロスズメバチにみる特異な社会寄生現象についても,巣仲間識別という観点から解析を加えた(小野).
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