研究分担者 |
小川 滋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30037973)
水山 高久 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00229717)
林 拙郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50024584)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
鈴木 雅一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10144346)
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配分額 *注記 |
38,870千円 (直接経費: 29,900千円、間接経費: 8,970千円)
2004年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2003年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2002年度: 23,010千円 (直接経費: 17,700千円、間接経費: 5,310千円)
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研究概要 |
1999年台湾で発生した地震は甚大な人的・物的被害をもたらした。この地震で台湾中央部の山地では多数の斜面崩壊・土石流が発生した。斜面崩壊や土石流により生産された土砂は大雨のたびに流出して土砂災害を引き起こしている。本研究は,現地調査に基づいて,地震後の土砂災害と地形の変化について検討することである。得られた結果をまとめると次の通りである。 1.台湾中部の調査地において,地震後の斜面や河道の地形変化を定量的に明らかにした。調査地(流域面積10.76km^2)には131箇所以上の斜面崩壊地が空中写真から判読された。調査地内の崩壊面積の合計は1.35km^2,崩壊面積率は12.5%であった。生産された土砂は,大雨のたびに流出している。土砂の流出は,土砂災害を引き起こすと同時に河川地形を変化させている。 2.調査地では,地震前は土石流が年に1回程度発生していたが,地震後の2000年には20回以上の土石流が発生した。調査地の河川沿いには新旧の土石流段丘が観察される。台湾では大きな地震が過去に繰り返し発生しており,地震による崩壊の発生は山地や河川の地形を変化させるおもな原因となっている。 3.地震によって引き起こされた代表的な崩壊地(九分仁山,草嶺,九九峰)を対象にして,斜面崩壊のメカニズムや特徴,雨による崩壊跡地の拡大,防災対策について検討した。 4.地震の影響を受けた地域において,2002年から2004年の期間の台風による土砂災害が調査された。斜面崩壊と降雨条件の関係を地震の前後で分析し,斜面崩壊に及ぼす地震の影響を明らかにした。 5.日本と台湾の間で,土砂災害のための防災対策や警戒避難システムが比較された。
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